駄目な僕
The Beach Boys
I Just Wasn't Made For These Times
1966
前回の続きです
ビーチ・ボーイズ…というよりブライアン・ウィルソンのアルバムというべき、傑作「ペット・サウンズ」ですが、
当時は理解されず、レコード会社からは「これは売れそうにない…」と判断されて、大してプロモーションもされていない
しかも「これじゃヤバイ」と思ったレコード会社は、急遽、ビーチ・ボーイズのベスト・アルバムを企画・発売している
当然、ベスト・アルバムはバカ売れして、「ペット・サウンズ」は忘れられた存在に…まるで、なかったもののような扱いにされてしまった
ブライアンは渾身の自信作に対する、このレコード会社の仕打ちに、精神的に参ってしまい、
薬物の影響もあり、奇行に走るようになる
67年に発表を予定していた次作「スマイル」は、制作が頓挫してしまい、伝説の「未完の大作」となってしまった
(予定収録曲の多くは、その後のアルバムに分散されて発表された)
アルバム「ペット・サウンズ」に収録された「駄目な僕」…
このタイトルには惹かれるものがありますね…ダメダメなブライアンの自己申告みたいな邦題に思えてしまう
80年代にマルタツが購入した「ペット・サウンズ」は山下達郎の解説で、この曲をベスト・トラックに挙げていた…なんともいえない佳曲なんだなぁ♪
「駄目な僕(I Just Wasn't Made For These Times)」ガラケーでは再生できません…まさにダメダメです
原題は♪僕はこの時代には合わないんだ…という感じ(時代遅れというより、時代よりも進み過ぎている…と受け取れる)で、
僕ってダメダメだなぁ〜とまでは歌っていない
♪うまくいくかな?って思うけど、何がよくないのか…悲しい思いをしてしまう…あてにならない友達に見切りをつけられたら、僕は誰に頼ればいい?いったい、どうなっちゃってるんだ?
周囲と折り合えない…自分から人々の元を離れてしまう…
これは「引きこもり宣言」の歌かな?!
さすがにこれはビーチ・ボーイズのメンバーは歌いたくなかったらしく、ブライアンのリード・ヴォーカルで、バック・コーラスもブライアンの多重録音になっている
間奏でフニャ〜と、お化けみたいな音を出しているのが、テルミンという楽器で、
テルミンはビーチ・ボーイズのヒット曲「グッド・バイブレーション」で一躍、注目されることになる
(「グッド・バイブレーション」は「ペット・サウンズ」のアウトテイクで、「スマイル」に収録予定されていた)
ポップスとは楽しいもの?聞き手にとってはそうかもしれないが、
作り手にしてみたら、こんなに悲しいものはないんじゃないか?
ブライアン・ウィルソンを聴くと、そう思います
この後、ブライアン・ウィルソンは半ば廃人状態となって、音楽の第一線からは退きます
そんな頃、ポール・マッカートニーがブライアンの自宅を訪ねたそうですが、
ブライアンは隠れて出てこなかった…
このエピソードが好きですね♪
それから二十年後、88年にブライアン・ウィルソンが奇跡的に復活します
初のソロ・アルバム「ブライアン・ウィルソン」発表です
これはよく覚えています…初めて買ったCDですからね
(この頃になると、さすがに新譜は、レコードでは発売されなくなっていました)
声はさすがに往年のようには出ていません…サウンドも緻密さには欠けていましたが、
シンプルで無垢なメロディは健在でした
まさに「ペット・サウンズ」の二十年後の続編ともいえるアルバムで感激しました♪
同時期にビーチ・ボーイズが、映画「カクテル」のヒットもあり、
「ココモ」で久々にヒットを飛ばします
ブライアンはもうビーチ・ボーイズには参加していませんが、両者の復活は明るいニュースでした
その後のブライアンの完全復活には驚かされます
セルフ・カバーのアルバム(タイトルが「駄目な僕」!)を発表したり、「ペット・サウンズ」全曲を披露するコンサートを行ったり、
そして2004年には、あれから37年…なんと、あの未完の大作「スマイル」を完成、発表するとは!
まさに夢の実現です♪
「ラブ・アンド・マーシー」はアルバム「ブライアン・ウィルソン」のオープニング・ナンバーで、シングル化もされました
マーシーといっても田代まさしの事ではない
Mercy…日本語では一般的に「慈悲」と訳されている
まあ、田代まさしには慈悲が必要なのかもしれないが(笑)
傷ついたガラスのメロディが痛々しい光を放っている…
挫折を知った天才が語る、愛と人生…
この曲は最近のコンサートでは、ラスト・ナンバーとして歌われているらしい
「Love And Mercy」
♪薄汚い映画館で頬づえをついていた/スクリーン上の暴力/僕らは勝てそうにない
部屋で横たわり、TVのニュースを見る/多くの人が傷ついている/本当にゾッとしてしまう
スタンディング・バーで人々を見ていた/この世界の孤独ってやつは/もうどうにもやりきれない
今夜 君に必要なのは愛情、そして慈悲の心/君と、君の友達に今夜 愛と情けとを♪
I Just Wasn't Made For These Times
1966
前回の続きです
ビーチ・ボーイズ…というよりブライアン・ウィルソンのアルバムというべき、傑作「ペット・サウンズ」ですが、
当時は理解されず、レコード会社からは「これは売れそうにない…」と判断されて、大してプロモーションもされていない
しかも「これじゃヤバイ」と思ったレコード会社は、急遽、ビーチ・ボーイズのベスト・アルバムを企画・発売している
当然、ベスト・アルバムはバカ売れして、「ペット・サウンズ」は忘れられた存在に…まるで、なかったもののような扱いにされてしまった
ブライアンは渾身の自信作に対する、このレコード会社の仕打ちに、精神的に参ってしまい、
薬物の影響もあり、奇行に走るようになる
67年に発表を予定していた次作「スマイル」は、制作が頓挫してしまい、伝説の「未完の大作」となってしまった
(予定収録曲の多くは、その後のアルバムに分散されて発表された)
アルバム「ペット・サウンズ」に収録された「駄目な僕」…
このタイトルには惹かれるものがありますね…ダメダメなブライアンの自己申告みたいな邦題に思えてしまう
80年代にマルタツが購入した「ペット・サウンズ」は山下達郎の解説で、この曲をベスト・トラックに挙げていた…なんともいえない佳曲なんだなぁ♪
「駄目な僕(I Just Wasn't Made For These Times)」ガラケーでは再生できません…まさにダメダメです
原題は♪僕はこの時代には合わないんだ…という感じ(時代遅れというより、時代よりも進み過ぎている…と受け取れる)で、
僕ってダメダメだなぁ〜とまでは歌っていない
♪うまくいくかな?って思うけど、何がよくないのか…悲しい思いをしてしまう…あてにならない友達に見切りをつけられたら、僕は誰に頼ればいい?いったい、どうなっちゃってるんだ?
周囲と折り合えない…自分から人々の元を離れてしまう…
これは「引きこもり宣言」の歌かな?!
さすがにこれはビーチ・ボーイズのメンバーは歌いたくなかったらしく、ブライアンのリード・ヴォーカルで、バック・コーラスもブライアンの多重録音になっている
間奏でフニャ〜と、お化けみたいな音を出しているのが、テルミンという楽器で、
テルミンはビーチ・ボーイズのヒット曲「グッド・バイブレーション」で一躍、注目されることになる
(「グッド・バイブレーション」は「ペット・サウンズ」のアウトテイクで、「スマイル」に収録予定されていた)
ポップスとは楽しいもの?聞き手にとってはそうかもしれないが、
作り手にしてみたら、こんなに悲しいものはないんじゃないか?
ブライアン・ウィルソンを聴くと、そう思います
この後、ブライアン・ウィルソンは半ば廃人状態となって、音楽の第一線からは退きます
そんな頃、ポール・マッカートニーがブライアンの自宅を訪ねたそうですが、
ブライアンは隠れて出てこなかった…
このエピソードが好きですね♪
それから二十年後、88年にブライアン・ウィルソンが奇跡的に復活します
初のソロ・アルバム「ブライアン・ウィルソン」発表です
これはよく覚えています…初めて買ったCDですからね
(この頃になると、さすがに新譜は、レコードでは発売されなくなっていました)
声はさすがに往年のようには出ていません…サウンドも緻密さには欠けていましたが、
シンプルで無垢なメロディは健在でした
まさに「ペット・サウンズ」の二十年後の続編ともいえるアルバムで感激しました♪
同時期にビーチ・ボーイズが、映画「カクテル」のヒットもあり、
「ココモ」で久々にヒットを飛ばします
ブライアンはもうビーチ・ボーイズには参加していませんが、両者の復活は明るいニュースでした
その後のブライアンの完全復活には驚かされます
セルフ・カバーのアルバム(タイトルが「駄目な僕」!)を発表したり、「ペット・サウンズ」全曲を披露するコンサートを行ったり、
そして2004年には、あれから37年…なんと、あの未完の大作「スマイル」を完成、発表するとは!
まさに夢の実現です♪
「ラブ・アンド・マーシー」はアルバム「ブライアン・ウィルソン」のオープニング・ナンバーで、シングル化もされました
マーシーといっても田代まさしの事ではない
Mercy…日本語では一般的に「慈悲」と訳されている
まあ、田代まさしには慈悲が必要なのかもしれないが(笑)
傷ついたガラスのメロディが痛々しい光を放っている…
挫折を知った天才が語る、愛と人生…
この曲は最近のコンサートでは、ラスト・ナンバーとして歌われているらしい
「Love And Mercy」
♪薄汚い映画館で頬づえをついていた/スクリーン上の暴力/僕らは勝てそうにない
部屋で横たわり、TVのニュースを見る/多くの人が傷ついている/本当にゾッとしてしまう
スタンディング・バーで人々を見ていた/この世界の孤独ってやつは/もうどうにもやりきれない
今夜 君に必要なのは愛情、そして慈悲の心/君と、君の友達に今夜 愛と情けとを♪
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Comments
アルバムのオープニング「素敵じゃないか」♪僕たち、結婚するんだ♪なんて希望に満ちて、一見ハッピーな曲に思えます
ところがこれは、ブライアンの奥さんの妹へのかなわない想いを歌にしたみたいなんです
ダメですね〜(笑)
「駄目な僕」…絶妙な邦題だと思います
http://blog.livedoor.jp/safs01murahiro-higeko/
ロシアの変体楽器テルミンが使われた曲で有名なんですね(ライナーノーツの受け売り)
「僕が人より進んでいるからダメなんだ」と呟く、でも素敵な彼女?には酷い事をする「僕を信じて」と歌う。男心と秋の空なのですね~♪