哀しみの終るとき〜「月刊ポルナレフ」8月号 特集・ポルナレフの映画音楽
Michel Polnareff
Ca N'arrive Qu'aux Autres
1971
「哀しみの終るとき」は、同名のフランス映画「哀しみの終るとき」(71年)の主題歌
日本では映画の公開に合わせて、翌72年に発売されている(画像)
この映画ではミッシェル・ポルナレフが音楽を手がけていて、その後もポルナレフは多くの映画音楽を作曲している
6月号、7月号とポルナレフの自作曲ではなかったのでね・・・ここは「作曲家ポルナレフ」にスポットを当ててみようという企みです♪
とはいっても「哀しみの終るとき」は当初、音楽はミシェル・ルグランの起用が予定されていたらしい・・・ポルナレフは代役だったのかな(笑)
フランスではサウンドトラック・アルバムではなくて、サウンドトラックEPとして発売されている(曲が足りないから?)
映画には既発表の「愛の旅人達」「コンピュータの夢」や「おかしなジョー」のインスト・バージョンが使用されているし、急遽のオファーでホントに作曲する時間がなかったのかもしれないね
この映画は、生まれてまもなく愛児をなくしたナディーヌ・トランティシャン監督の自身の体験が基になっている・・・というか、殆どそのまんまの映画です
この映画の英語のタイトルは「It Only Happens To Others」(フランス語の原題の直訳)
「それは他の人々にだけ起こること」・・・言い換えると「それは私たちには起こるはずがないこと」となる
なかなか含蓄のあるタイトルなんだ・・・このタイトルは歌詞のクライマックスでも効果的に使われているよ
https://www.youtube.com/watch?v=94UUWg5u2PE
2分にも満たない曲なんだ・・・3番まであるのにね
イントロも間奏もないからかな?
ひょっとするとこれは、元々インストゥルメンタルとしてレコーディングされたのかもしれないね
良いメロディが書けた♪と提出したら、
「やっぱりポルちゃん、歌ってよ〜♪ ポルちゃんが歌えばヒット間違いなしじゃない? 映画の宣伝にもなるしさ〜」
なんてプロデューサーに言われて、歌をダビングしたんじゃないだろうか?
主演のカトリーヌ・ドヌーヴとマルチェロ・マストロヤンは、この映画の共演で結ばれた・・・まあ、それはどうでもいいか(笑)
どうでもいいといえば、この曲はテレビ「タモリ倶楽部」のドラマ「愛のさざなみ」で使われていましたね♪ さてはこっちの方が有名だったかな?
さらにどうでもいいんですが、野口五郎に「哀しみの終るとき」という同名異曲があるんです(笑)
これもなかなかの逸品ですよ♪
71年にはコメディ映画「大乱戦」(La Folie Des Grandeurs)の映画音楽も手がけている
タイトルの直訳は「誇大妄想」(笑)・・・この映画は観てませんね♪
イヴ・モンタンが一応主演です・・・原作が、あの「レ・ミゼラブル」のヴィクトル・ユーゴーなんですね
これは日本公開の74年に、日本でもサウンドトラック・アルバムが発売されています
もちろん日本のポルナレフ・ファンに売りつけようという魂胆です・・・ポルナレフは歌っていないのにね
ここではたくさん作曲していて、スペインが舞台なのでスパニッシュな音楽やジャズ、ポルナレフらしい哀しくも美しいメロディあり・・・と多彩です
「大乱戦のテーマ」・・・今聴くと、ジャッキー・チェンの映画の音楽みたいに聴こえるなぁ
https://www.youtube.com/watch?v=3oCv5jc0N2Y
74年には「三銃士」・・・これは知りません(笑)
76年には「リップスティック」・・・これはアメリカ映画です♪ ポルナレフも渡米した甲斐があったね
これは割とメジャーですよね? やっぱり映画がヒットすると、映画音楽も注目されるみたいだ
「リップスティック」・・・この日本盤シングルのジャケットは、映画とは無関係なポルナレフの写真でしたね(笑)
一応サントラ盤なんですが・・・これじゃポルナレフが映画に出演しているみたいだ
これも今聴くと、当時の流行のサウンドのコラージュみたいに聴こえるなぁ
https://www.youtube.com/watch?v=jXpeE4bJw4E
ポルナレフは映画音楽を書かせても一流なのはよくわかるんだけど、だからどうした?とも思ってしまうんだ
こういった音楽なら、別にポルナレフが作曲しなくても、誰でもよかったんじゃないか?
ポルナレフらしさがないんだな・・・まあ、映画音楽だから確かにメインは映画なんだよね
ファンの間で評価が高いのは、「大乱戦」でも「リップスティック」でもテーマ曲ではなく挿入曲・・・
いかにもポルナレフらしい、哀しくも美しいメロディの曲だったりする
そう考えると「哀しみの終るとき」こそ、最もポルナレフらしい映画音楽なのかもしれない
まあ、「哀しみの終るとき」はポルナレフの歌も入っているもんな♪ これにはかなわないか(笑)
ミッシェル・ポルナレフの歌は、現在でも事あるごとに世界中の映画で使用されている
「愛の願い」や「愛のコレクション」、インストとして世界的なヒットとなった「バラ色の心」など・・・
日本では「シェリーに口づけ」もそれに加えられるかな?
やはり映画の伴奏という要素の強い映画音楽よりも、ポルナレフの歌心の方がより響く・・・という事なんだろうか
「哀しみの終るとき」の、当時のレコードでのサビの部分の対訳は
♪鳥がいる 鳥がいない その違いをあなたは知っているだろうか
それは哀しみ・・・
というものだった(この対訳が好きだった♪)
ポルナレフの曲ではお馴染みの作詞家、ジャン・ルー・ダバディの作詞だ
対訳といえば「愛のコレクション」も、かなりの意訳だったけどね(それは2月号で書かせていただきました)
「哀しみの終るとき」もちょっとアヤシイんだ・・・
♪Un oiseau de plus
Un oiseau de moins
Tu sais, la difference c'est le chagrin
Oiseauは「渚の想い出」にも出てきたね・・・鳥だ
Plusは英語だとプラスで、Moinsはマイナスに当たるのかな?
Differenceは英語にもあるね・・・違いだ
だとすると、鳥が増えた 鳥が減った じゃないの?
鳥がいる・いない・・・となると、ちょっと意訳だな(笑)
♪子どもが庭で遊んでいた・・・毎朝楽しそうに
今朝は学校が休みだった・・・でももう庭に子どもがいることはない
増えていく小鳥・・・少なくなる小鳥
その違い・・・それは悲しみなのだろう
それは他人にしか起こらない
でも、それは私たちに起こった
その違い・・・それが悲しみなのだろう
最後はポルナレフのピアノ弾き語りでお聴き下さい♪
https://www.youtube.com/watch?v=fX2BazmQMhM
Ca N'arrive Qu'aux Autres
1971
「哀しみの終るとき」は、同名のフランス映画「哀しみの終るとき」(71年)の主題歌
日本では映画の公開に合わせて、翌72年に発売されている(画像)
この映画ではミッシェル・ポルナレフが音楽を手がけていて、その後もポルナレフは多くの映画音楽を作曲している
6月号、7月号とポルナレフの自作曲ではなかったのでね・・・ここは「作曲家ポルナレフ」にスポットを当ててみようという企みです♪
とはいっても「哀しみの終るとき」は当初、音楽はミシェル・ルグランの起用が予定されていたらしい・・・ポルナレフは代役だったのかな(笑)
フランスではサウンドトラック・アルバムではなくて、サウンドトラックEPとして発売されている(曲が足りないから?)
映画には既発表の「愛の旅人達」「コンピュータの夢」や「おかしなジョー」のインスト・バージョンが使用されているし、急遽のオファーでホントに作曲する時間がなかったのかもしれないね
この映画は、生まれてまもなく愛児をなくしたナディーヌ・トランティシャン監督の自身の体験が基になっている・・・というか、殆どそのまんまの映画です
この映画の英語のタイトルは「It Only Happens To Others」(フランス語の原題の直訳)
「それは他の人々にだけ起こること」・・・言い換えると「それは私たちには起こるはずがないこと」となる
なかなか含蓄のあるタイトルなんだ・・・このタイトルは歌詞のクライマックスでも効果的に使われているよ
https://www.youtube.com/watch?v=94UUWg5u2PE
2分にも満たない曲なんだ・・・3番まであるのにね
イントロも間奏もないからかな?
ひょっとするとこれは、元々インストゥルメンタルとしてレコーディングされたのかもしれないね
良いメロディが書けた♪と提出したら、
「やっぱりポルちゃん、歌ってよ〜♪ ポルちゃんが歌えばヒット間違いなしじゃない? 映画の宣伝にもなるしさ〜」
なんてプロデューサーに言われて、歌をダビングしたんじゃないだろうか?
主演のカトリーヌ・ドヌーヴとマルチェロ・マストロヤンは、この映画の共演で結ばれた・・・まあ、それはどうでもいいか(笑)
どうでもいいといえば、この曲はテレビ「タモリ倶楽部」のドラマ「愛のさざなみ」で使われていましたね♪ さてはこっちの方が有名だったかな?
さらにどうでもいいんですが、野口五郎に「哀しみの終るとき」という同名異曲があるんです(笑)
これもなかなかの逸品ですよ♪
71年にはコメディ映画「大乱戦」(La Folie Des Grandeurs)の映画音楽も手がけている
タイトルの直訳は「誇大妄想」(笑)・・・この映画は観てませんね♪
イヴ・モンタンが一応主演です・・・原作が、あの「レ・ミゼラブル」のヴィクトル・ユーゴーなんですね
これは日本公開の74年に、日本でもサウンドトラック・アルバムが発売されています
もちろん日本のポルナレフ・ファンに売りつけようという魂胆です・・・ポルナレフは歌っていないのにね
ここではたくさん作曲していて、スペインが舞台なのでスパニッシュな音楽やジャズ、ポルナレフらしい哀しくも美しいメロディあり・・・と多彩です
「大乱戦のテーマ」・・・今聴くと、ジャッキー・チェンの映画の音楽みたいに聴こえるなぁ
https://www.youtube.com/watch?v=3oCv5jc0N2Y
74年には「三銃士」・・・これは知りません(笑)
76年には「リップスティック」・・・これはアメリカ映画です♪ ポルナレフも渡米した甲斐があったね
これは割とメジャーですよね? やっぱり映画がヒットすると、映画音楽も注目されるみたいだ
「リップスティック」・・・この日本盤シングルのジャケットは、映画とは無関係なポルナレフの写真でしたね(笑)
一応サントラ盤なんですが・・・これじゃポルナレフが映画に出演しているみたいだ
これも今聴くと、当時の流行のサウンドのコラージュみたいに聴こえるなぁ
https://www.youtube.com/watch?v=jXpeE4bJw4E
ポルナレフは映画音楽を書かせても一流なのはよくわかるんだけど、だからどうした?とも思ってしまうんだ
こういった音楽なら、別にポルナレフが作曲しなくても、誰でもよかったんじゃないか?
ポルナレフらしさがないんだな・・・まあ、映画音楽だから確かにメインは映画なんだよね
ファンの間で評価が高いのは、「大乱戦」でも「リップスティック」でもテーマ曲ではなく挿入曲・・・
いかにもポルナレフらしい、哀しくも美しいメロディの曲だったりする
そう考えると「哀しみの終るとき」こそ、最もポルナレフらしい映画音楽なのかもしれない
まあ、「哀しみの終るとき」はポルナレフの歌も入っているもんな♪ これにはかなわないか(笑)
ミッシェル・ポルナレフの歌は、現在でも事あるごとに世界中の映画で使用されている
「愛の願い」や「愛のコレクション」、インストとして世界的なヒットとなった「バラ色の心」など・・・
日本では「シェリーに口づけ」もそれに加えられるかな?
やはり映画の伴奏という要素の強い映画音楽よりも、ポルナレフの歌心の方がより響く・・・という事なんだろうか
「哀しみの終るとき」の、当時のレコードでのサビの部分の対訳は
♪鳥がいる 鳥がいない その違いをあなたは知っているだろうか
それは哀しみ・・・
というものだった(この対訳が好きだった♪)
ポルナレフの曲ではお馴染みの作詞家、ジャン・ルー・ダバディの作詞だ
対訳といえば「愛のコレクション」も、かなりの意訳だったけどね(それは2月号で書かせていただきました)
「哀しみの終るとき」もちょっとアヤシイんだ・・・
♪Un oiseau de plus
Un oiseau de moins
Tu sais, la difference c'est le chagrin
Oiseauは「渚の想い出」にも出てきたね・・・鳥だ
Plusは英語だとプラスで、Moinsはマイナスに当たるのかな?
Differenceは英語にもあるね・・・違いだ
だとすると、鳥が増えた 鳥が減った じゃないの?
鳥がいる・いない・・・となると、ちょっと意訳だな(笑)
♪子どもが庭で遊んでいた・・・毎朝楽しそうに
今朝は学校が休みだった・・・でももう庭に子どもがいることはない
増えていく小鳥・・・少なくなる小鳥
その違い・・・それは悲しみなのだろう
それは他人にしか起こらない
でも、それは私たちに起こった
その違い・・・それが悲しみなのだろう
最後はポルナレフのピアノ弾き語りでお聴き下さい♪
https://www.youtube.com/watch?v=fX2BazmQMhM
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Comments
http://www.youtube.com/watch?v=FUrlHWinLHU
そうすれば話題になって、CD化もされるんじゃないか?・・・なんてね♪
by マルタツ
これが日本の多くのファンを幻滅させたんだと思う
フランスでも、全盛期は渡米するまで・・・とされているから、似たようなもんかな?
80年代に入ると、日本ではポルナレフのレコードが発売されなくなる
この頃の曲をYouTubeで見てみると、いかにも80年代!といった流行りのサウンドでガッカリさせられます(笑)
90年の「カーマ・スートラ」が日本では初のポルナレフのCD発売だったんじゃないかな
シングル曲の「グッバイ・マリルー」は往年のポルナレフ節健在で、嬉しくなりましたね♪
よほどシャットダウンしたとみて、全然知りませんでした。
この「リップスティック」聴いても思うけど、ベタポルナレフが好きだったオレにとっては、サウンドが好みじゃないというか、これならポルナレフじゃなくてもいいじゃんって感じですね〜(笑)
http://46kuma50.tuna.be
アルバム未収録曲で、CD化もされていないレア曲
フランスではポルナレフの映画音楽のコンピレーション・アルバムが発売されているのに、そこにも収録されなかった・・・
ポルナレフらしい、なんとも美しい小品なのにね
ポルナレフのピアノだけの演奏で、「愛の願い」にも通じる曲だけど、
ピアノだけで完成されているところが違うんだ
これはピアノで弾きたくなるだろうね♪
「大乱戦」!さすがです・・・ファンの鑑!
自分は、3年前のだろ?と思って、買いませんでした(笑)
こういったアルバムはラジオでもかからないし、レコードを買わないと聴けなかったもんなあ
「リップスティック」はラジオでもよく流れていたけどね・・・でも誰もポルナレフの曲だって気が付かないんだと思うな(笑)
「ポルナレフUSA」以降のアルバムは、またフランス語に戻っています・・・アメリカ在住のくせにね(笑)
子供の頃、このシングルのB面「カトリーヌの追想」がなぜか大好きで、ピアノで弾いてみたくてたまらなかった。
今聴いたら、ピアノの練習曲みたいな雰囲気なんだけど・・・
「大乱戦」サウンドトラックのLP、持ってる!
でも多分2回くらいしか聴いてない
なぜなら、歌ってないから(笑)
「リップスティック」は、ポルナレフUSAの後なので、聴いてません。
英語のポルナレフ・・・ものすごい違和感でね〜
ポルナレフUSA以降は、いっさい聴かなくなりました・・・
で、「リップスティック」は、インストなんだね。
初めて知りました(笑)