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その時ハートは盗まれた

その時ハートは盗まれた

The Beatles
I Saw Her Standing There
from the album - Please Please Me
1963



先週末は友人のビートルズ・コピーバンド、THE FISH AND CHIPSの
新メンバーを迎えた久々のライブに出掛けました
その後も、年4回開催の恒例ビートルズ・セッションへと足を運び、まさにビートルズ三昧な一夜となりました♪
関係ないけど、「すしざんまい」は24時間営業らしいね?ちょっと興味あります(笑)

そのどちらのライブでも演奏されたのが、ビートルズのロックンロール・ナンバー「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」♪
記念すべきファースト・アルバムの1曲目になったノリノリの曲だ
♪ワン、トゥ、スリー、フォー!
カウントから入るのもイキがいい♪
さあ行くぞ!

でも、このカウント…実はOKテイクとは違うテイクから切り貼りしてるらしいですね(笑)
まあ、いい味出してるハンドクラップも、オーバーダビング(追加録音)だったりします
別にライブじゃないんだから、これでいいんです
これがレコード(記録)というもんですよね♪

ナニ?そんな曲知らないって?
確かにこれはシングルのA面にはなっていないですからね…ベスト・アルバムとされている、通称「赤盤」「青盤」にも入っていない
まあ、ビートルズは頑張って全曲制覇してもらうしかないんです(笑)
とにかくこれは踊るっきゃない♪なんてったってロックンロールなんですから
このパーティー・チューンで騒ごうぜ♪と、当時二十歳そこそこのビートルズも有り余る若さで大暴れしています

「I Saw Her Standing There」(歌詞付き) さあ、ビートルズと一緒に歌い踊ろう♪

♪How could I dance with another〜Oh!
ここの進行、高揚感があってグッと来るね〜
もう言葉にならなくて、思わず♪Oh!とシャウトしているみたいだ
首を振って歌うビートルズが目に浮かびます
さらに煽って♪マヒ〜ンで絶頂に…
この抜かりのなさ!感服します

ビートルズはロックンロールのカバーは何曲もレコーディングしているが、
オリジナルでここまで正統派ともいえるロックンロール・ナンバーは余りないかもしれない
ビートルズの音楽性は、ロックンロールには収まらなかったという事かな?
当時、ロックンロールの生みの国アメリカでは、もうロックンロールは下火になっていて過去の物になりつつあった
そこにイギリスの片田舎の若者が、ロックンロールの新しい解釈、本来の魅力を見せつけたとも言えますね

元々ロックンロールはダンス音楽だし、黒人のロックンロールにはある種の緩さ…スウィング感があった
ジャズみたいな4ビートの曲もあるもんね、ブギウギとかね
50年代のロックンロールと比較すると、ビートルズはもっと直線的で攻撃的だと思う
ラウドな歌と演奏は、暴力的とさえ言える破壊力がある
ロックンロールのロールを取って、ロックだけにしてしまったような気がするね


ところで「I Saw Her Standing There」の邦題、
「その時ハートは盗まれた」は、ビートルズの日本盤レコードでは採用されていないんです
当時の楽譜に使われていた邦題みたいなんですね

60年代にメリー・ウェルズがビートルズのカバー・アルバムを出しているんですが、そこでこの邦題が使われているんですよ
他にも「秘密を知りたくない?」(原曲はわかりますよね?)なんて独自の邦題が付けられているので、
このアルバムが出所なんじゃないか?と睨んでいます
ビートルズとレコード会社が違うと、こういう事もありえますね
アルバム・タイトルも「くたばれ!ビートルズ」ですからね〜仲良くしてほしいな(笑)

この邦題は「アニメ ザ・ビートルズ」で知ったんです
アニメでは毎回ビートルズの曲が流れるんですが、「I Saw Her Standing There」が流れた時に
「その時ハートは盗まれた」とテロップが出たんです
えっ、そんな邦題があったの?なんていい邦題なんだ!と感激しましたね
この曲の歌詞は「一目惚れ」を歌っているんですよ、ドンピシャなんです

「アニメ ザ・ビートルズ」より「その時ハートは盗まれた」

このアニメのビートルズ…メンバーのキャラクター設定は、映画「ビートルズがやって来る ヤア!ヤア!ヤア!」を踏襲しているみたいだね
ソフト化はされてないみたいだけど、
アップルが権利を持っているらしいので、そのうちボックスで出るのかな?
でも、このゆる〜い感じは、深夜にテレビでチョロチョロ放送する方がしっくりくるような気がします(笑)

アニメのビートルズを見ると、同じ外国アニメの「スーパースリー」を思い出してしまいます
ビートルズをモデルにしたと思われるバンドですもんね
ちゃんとサウスポーの奴もいるぞ?
だけど3人ともギターなんですが(笑)
バンド名はThe Impossibles(アニメの原題も同じ)
これは子供の頃に、画面に目を凝らしてスペルをチェックしました♪
さすがにハンナ・バーべラの作品ですね、楽しませてもらいました
(「チキチキマシン猛レース」とか、外国アニメといえばなんといってもハンナ&バーべラです。「トムとジェリー」を手掛けたコンビですね)
また日本独自の主題歌が60年代していて、いいですね
吹替を担当していた関敬六、石川進、愛川欽也が歌っています
ラリホ〜♪
(キンキン…ニャンコ先生の時とは違って、男前の声です)

「スーパースリー」オープニング


それにしてもビートルズはルックスもいいんだな…やっぱりズバ抜けているね
男も憧れる格好良さだ
もちろんアイドルとしての側面も忘れてはいけない
こんなに笑顔のロック・バンドなんて他にいるかい?
そんなアイドルだったビートルズが
50年経っても語りつがれるグループになろうとは、誰が想像しただろう
ビートルズの活動時期は1960年代…
2010年代はビートルズの50周年記念で
アレやコレやと、まだまだ続いていくんだろうな〜♪
悲しい気持ち

悲しい気持ち

桑田佳祐
「悲しい気持ち(Just A Man In Love)」
作詞・作曲 桑田佳祐
昭和62年(1987年)



佐野元春と同じ56年生まれの魚座、桑田佳祐です
サザンオールスターズ休業、そして86年のKUWATA BANDでの活動が終わり、
いよいよデビュー10周年に向けてサザン再始動か?と思われた矢先に、桑田佳祐初のソロ・シングルが発表された
まだまだサザンをやる気にはならなかった…というのが真相らしい
KUWATA BANDを続けたかったというのが本音だったみたいだ
サザンのアルバムが出るか出ないかによって、その年の所属レコード会社の業績も左右してしまう…
正直、これはプレッシャーだろうね

このシングルのアレンジ、プロデュースを手掛けているのが小林武史…
このシングルの制作で出会い、その後、サザンオールスターズのレコーディングにも参加するようになる
桑田佳祐は自分の注文以上のアレンジをする小林武史に驚き、殆ど「おまかせ」状態だったという
サザンの「真夏の果実」や「希望の轍」が名曲とされているのは、実は小林武史のアレンジのせいかもしれない
印象的なイントロだもんね
「悲しい気持ち」のイントロのメロディも、この曲の印象を決定付けてしまっている…完全に桑田が食われている
クワタ、クワレル…ちょっと韻が入ってます(笑)

ソロ・シングルという事で、ここではバンド・サウンドにこだわらない「打ち込み」を試みている
これは80年代には避けられなかった事ですね
どのアーティストも打ち込みのドラムにベース、シンセサイザー…
今聞くと80年代のサウンドはどこかヘン?に聞こえるかもしれないな

楽曲もソロらしくポップスを追求したのか、「ポップス職人」と呼びたくなる出来映えですね♪大好きな曲です
これはサザンオールスターズにはありそうでなかった曲…その後、サザンでもこの世界が踏襲される事になります


https://www.youtube.com/watch?v=GaHD5Pci1dM


このモータウン・ビートがいい♪
フィル・コリンズの「恋はあせらず(You Can't Hurry Love)」で見直されたリズムです
原曲はシュープリームスですが、ハゲ(薄毛)でもヒット曲が出せる事を証明してくれたフィル・コリンズは偉大です(笑)失礼♪
ビリー・ジョエル「あの娘にアタック」、松田聖子「ハートをROCK」(甲斐よしひろ作曲)もこの流れでしょう
桑田佳祐も原由子に提供した「恋は御多忙申し上げます」で既にトライしていたビートです
その後サザンでも「太陽は罪な奴」で再利用…研究の成果をフィードバックしています

突然ですが、真夜中のカラオケ教室、MKKです(笑)
この乗りをカラオケで体現している人を余り見かけないので、僭越ながらワンポイント・アドバイスしてみたいと思います(笑)
♪なっつの めがっみぃに〜 とハネて歌ってみてください
♪な〜つの めが〜み〜に〜 じゃダメですよ

レコードではコーラスに杉真理が参加しているね♪
明るいリズムに悲しい歌詞…これが桑田佳祐の考えるポップスなのかもしれないな
ヤング・ブラッズ

ヤング・ブラッズ

佐野元春
「Young Bloods」
作詞・作曲 佐野元春
昭和60年(1985年)



真夜中のマニアック・クイズ、MMQの時間です(笑)
佐野元春が沢田研二に提供した楽曲は6曲ありますが、そのうち佐野元春がセルフカバーしていない2曲は何でしょう?
(正解はコメント欄に投稿します)

沢田研二への提供曲はどれもいいね♪
残念ながらどれもシングルにはなりませんでしたが、「彼女はデリケート」はよくジュリーがテレビで歌っていました
ロックンロールだ♪しかも新感覚で、これはイイ!
思わず作者の佐野元春にチェックを入れましたね♪

実は佐野元春の名前は以前から知っていたんです
デビュー前の78年のポプコン(ヤマハのポピュラーソングコンテスト)に出てましたからね♪(バンドで「バックレーン元春セクション」として出場)テレビで見たんです
茶色いサングラスでピアノを弾きながら「Do What You Like」(ファースト・アルバムに収録)を歌っていました
確か作詞賞だったんです…佐野元春初期の英語やカタカナ、固有名詞が出てくる独特な文体は新鮮でしたね
でも、いかにも大学生といった
ぬる〜い感じが、マルタツは余り好きではありませんでした…偏屈でスミマセン(笑)

それから、これもデビュー前ですが、佐藤奈々子の曲の作曲をしていた(明星の歌本に載っていた佐藤奈々子の曲に、作曲者として書かれていた)んですよね…ソングライターとしては既にデビューしていた訳です
74年にも「Bye Bye C-Boy」でポプコンに出場して、主催者側を批判したとか…
本人は余りデビューに乗り気ではなく、78年の出場も回りから勧められての事だったみたいです
(ポプコンの音源は、どちらもニコニコ動画で聞けますよ)

「Do What You Like」も佐藤奈々子も、どちらかというとジャズじゃないですか?だからジャズの人だと思ってましたね
(佐野元春と佐藤奈々子は当時恋人同士で、佐野元春初期のラブソングは佐藤奈々子の事を歌っているらしい)

大学卒業後、広告代理店(博報堂)に勤めていた佐野元春をエピック・ソニーのディレクター、小坂洋二が口説いていたんですね
佐野元春も仕事でロスへ行って、出会ったアマチュア・ミュージシャンのポジティブな行動に感銘して、
自分もやろう!とデビューを決めた…
「Be Positiveだ!ロックンロールだ!」と…

佐野元春のロックンロール・ショウはとにかく楽しい♪
ロックではなくロックンロールなんです
レコード化されていない「ハートランドへようこそ」が、ライブでは最高に盛り上がるというのも面白い
ジャズ好きのネクラな男が最高に弾けている
こんな底抜けに明るいロックンローラーは、かつて日本には存在していなかった!

大滝詠一、杉真理との「ナイアガラ・トライアングルVol.2」で一躍メジャーになりましたね
そしてアルバム「SOMEDAY」の大ヒット…初期の3枚のアルバムは「ストリート三部作」と呼ばれています
この頃の佐野元春が一番好きだという人は多いですね
初期のベスト・アルバム「No Damage」もアルバム未収録のシングル曲が入っていていいです♪入門編にも最適ですね
幻の映画だった「No Damage」も昨年再上映されました…ソフト化も近い?

そして単身渡米、ニューヨークへ…
大ブレイクした佐野元春が突然、現地でのレコード制作を約束に一年間日本を離れてしまう
その間に季刊「This」を発行して、お得意の散文詩なんかを発表している
自分のメディアを作り、発信する…ウ〜ン、アーティストなんだなぁ

そうそう「ハートランドからの手紙」というアイデアもいい
これはデビューの頃から、媒体を特定しないで発表していたメッセージで、#1、#2と番号が振られていた
今で言うブログみたいなものかな?(笑)革新的でしたね

帰国後に発表された84年のアルバム「VISITORS」は衝撃だった!
ヒップホップ、ファンクへの接近には驚かされたが、これがニューヨークでの生活で必然的なサウンドの変化だったのだろう…ドキュメンタリーみたいなもんだな
12インチ・シングル「Complication Shakedown」は最強だ…なにしろこれで踊れるんだからね♪
ここで聞かれる本邦初ともいえる日本語ラップは、後の日本人ラッパー達にも大いなるリスペクトを受けている
12インチ・シングル、プロモーション・ビデオ(「Tonight」)というのも本邦初だった

かと思えば「Shame」では、まるでジョン・レノンが乗り移ったかのようなプロテスト・ソングを聞かせてくれる
アーティスト、佐野元春に完全にノックアウトされてしまったアルバムだ
佐野元春も躁状態が止まらなくて、病院に行ったって言うくらいだ…でもオールド・ファンには不評だったみたいだけどね

そして85年初頭にシングル「Young Bloods」が発表される
佐野元春初のヒット曲である(オリコンでベストテンに入ったシングルは、それまでなかった。頑なにタイアップしないと、こういう事になるのが日本の音楽シーンなのかもしれない)
でもこの曲、ラジオでは84年の暮れから流れていたよ
♪静かな冬のブルースに眠る この街のニューイヤーズデイ…
まさしく85年の新年を、この曲を聞きながら迎えたんだから…

「Young Bloods」YouTube

魂が高揚するソウル・ナンバーだ♪
UKソウルの影響が伺えるね
ナニ?パクリには言及しないのかって?
これはスタイル・カウンシルの「シャウト・トゥ・ザ・トップ」ですよね?かなり有名な話だからな〜

でも「インディビジュアリスト」の方が凄いよ?スタイル・カウンシル「インターナショナリスツ」と酷似だぜ?
インタビュアーが「これはパクリですか?」とは言わずに「これはアンサー・ソングですか?」と訊いていた…
うまい!感心したね♪
佐野元春は「考えた事もなかった…あの曲はやりすぎだ」と答えている
知ってんじゃん?!アンサーじゃなくてクエスチョンだというつもりなのか?
パクリ確信犯だと思うな(笑)

佐野元春の日本語はどこかおかしい
とても論理的ではあるのだが、「僕は思うんだ…」という言い方も英語の「I think…」を和訳しているみたいだ
そう、佐野元春は英語で考えている疑いがある(笑)
これは英語の習得について、知人から聞いた事があるのだが
日本語で考えて、それを英訳して会話をする…相手の言葉も和訳して理解する…
これだと「和英の変換」というワン・クッションがあり、なかなか英会話がマスターできないそうなのだ
英語で考えなければ、英語で話せないらしい
なるほど、佐野元春なら実践していそうだ…納得させられるね

「Young Bloods」はレコードで、佐野元春本人が「熱き血潮」と訳していた
この曲を歌おう♪とも書いてあったな…でも歌いづらい曲だと思うよ、佐野サン(笑)
アルバムではタイトルが、「Youngbloods」と一語に変更されている
これだと「若者たち」というニュアンスが濃くなる
♪君の行く道は〜
確かにこっちの「若者たち」なら、みんなで歌いやすいと思うよ、佐野サン(笑)

このシングルは86年のアルバム「Cafe Bohemia」にも収録されている
(スタイル・カウンシルにも「カフェ・ブリュ」というタイトルのアルバムがあったりする)
このアルバムはシングルになった曲ばかりだ…マイケル・ジャクソン「スリラー」といい勝負だな(笑)
スカ、レゲエ、ボ・ディドリー・ビート、ソウル、ジャズと多彩なサウンドで、「個人主義」のバラエティを表現したアルバムといえるだろう

カセット・ブック「Electric Garden」にも惹かれたね
ポエム・リーディング(詩の朗読)なのだが、バック・トラックは佐野元春による打ち込みのビートだ
詩とビートの融合…この実験は佐野元春のライフワークなのだろう

続く89年発表の「ナポレオンフィッシュと泳ぐ日」も傑作の呼び声が高い
アルバム・タイトルが日本語というのは佐野元春では初めてだ
歌詞の文体が明らかに変化している…これは現代詩の世界だ
(同時期に発表された長い散文詩「エーテルのための序章」は紛れもなく現代詩で、
ポエム・リーディングのライブでも、この詩の断片を取り上げている)
ここでは「個の解放」をテーマとしているためか、初期の躍動感を取り戻している
ロックンロールに収まらない、ジャンルからも解放されたパワフルな音楽で
佐野元春ワールドが繰り広げられているのだ…



もちろんこの後も、そして現在も佐野元春の活動は続いています
これだけ長い期間、レコーディング・アーティストとして活動できているアーティストは数少ないです…売れないと契約を切られてしまう訳ですから
佐野元春に直撃された今の40代には忘れられないアーティストだと思いますね(マルタツは50代ですが 笑)
気になるのは若い世代…10代、20代がまったくと言っていい程、佐野元春を知らない事です
どうしてこんな事になってしまったのか?
カラオケで歌うとドン引きされるし(笑)
そんな訳で、Young Bloods…熱き血潮のままにズルズルとお送りしました♪
ストリート三部作ではありませんが、三部作 完結!最後までThanksです!

また夜明けになってしまったな…(笑)
「音のないラジオ」から「Wild Hearts(冒険者たち)」が流れてきた…
♪誰かがどこかで眠れぬ夜明けを見つめている
誰もが心に見知らぬ夜明けをかかえている
Hey hey hey♪
ハート・ビート

ハート・ビート

佐野元春
「Heart Beat(小さなカサノバと街のナイチンゲールのバラッド)」
作詞・作曲 佐野元春
アルバム「Heart Beat」収録
昭和56年(1981年)



マルタツ・レディオ・ショウ、MRSです(笑)
今夜は先週に引き続き、佐野元春特集をお送りします
I wanna be with you tonight♪(元春のパクリです)

佐野元春のデビューは80年
デビュー曲は「アンジェリーナ」…疾走感があるね♪
タッタカ、タッタカというこのリズム…ギャロップというらしい
ビートルズ「ゲット・バック」、YMO「ライディーン」もそうだ

「アンジェリーナ」は、ブルース・スプリングスティーン「明日なき暴走」のパクリだというのが定説だが、それを言ったら甲斐バンドの「HERO」だってそうだしね
浜田省吾、長渕剛、尾崎豊だって、スプリングスティーンには随分お世話になっている(笑)
中でも佐野元春はサウンドだけではなく、日本語の乗せ方にも疾走感を感じさせるところが抜きん出ている
歌詞のリズムの解釈が深いのだ
たぶん佐野元春がボブ・ディランのファンだからだろうね
ボブ・ディランはメロディを歌っているのではなく、詞を歌っているのだ
歌詞をビートに乗せる…その抑揚がメロディになっている
ディランを聞き込んだ修行?の成果だろう

佐野元春のこのデビュー曲は、吉川晃司のデビュー曲「モニカ」に見事、パクられている
パクられるというのは、高評価だって事だよね

♪Oh アンジェリーナ 君はバレリーナ…
どうも「キミは」が「チミは」に聞こえるんだよね(笑)これは東京弁なんだろうか?
♪誰かの「車」が「来るま」で 闇に「くるま」ってるだけ…
クルマの3連発…これは粋だね〜さすが江戸っ子だ

佐野元春はデビュー当時はテレビにも出ていないし(東京ローカルではあったようだが)、
まだMTVの時代でもなかったため、プロモーション・ビデオも制作されていない
デビューしたというのは雑誌で目にしたが、当時リアルタイムでは聞いていなかった

佐野元春の当時の事務所がヤングジャパン…
アリスが稼ぎ頭のフォーク系の事務所だ…違和感があるね
ハンド・イン・ハンド運動で盛り上がっていた頃だよ?
有名なアリスの「美しき絆〜Hand in Hand」という曲だけじゃなくて、同じ事務所の岸田智史も♪ハンド・イン・ハンド〜と歌いこんだ曲を書いている
佐野元春も書かされていたかもしれないな(笑)
まあ、フォーク系のアーティストはラジオで全国区になるというパターンですよね?
元春もラジオのレギュラーを持つ事になります

2枚目のシングル「ガラスのジェネレーション」はNHK−FMでDJを始めた頃かな?
個人的には、そのスクエアな喋り方が、どうも気にいらなくて(笑)
マトモにラジオも曲も聞いてなかったね…なんか曲も軽い感じがしてね(あくまでも第一印象の話ですよ♪)

♪つまらない大人にはなりたくない…
というフレーズはキャッチーだよね…さすが広告代理店に就職して、コピーライターの勉強もしていた人だ
この曲は、大人=つまらない と歌っているのか?
つまらない大人にはなりたくないが、つまる大人(笑)なら
なりたいという事なのか?
正直、よくわかりません(笑)←偏屈な奴だなぁ

この曲は、ターゲットである「都市のティーンエイジャー=ガラスのジェネレーション」を歌の主人公にするというコンセプトを明確にしている
そして、そのコンセプトで制作されたのがセカンド・アルバム「Heart Beat」だった

「Heart Beat」…アルバムのタイトル・ナンバーであり、ラスト・ナンバーでもある長尺曲
ライブでは特に感動的な曲で、佐野元春のブルース・ハープ(ハーモニカ)のソロがせつない♪
佐野元春と観客達が
この曲で一体感に包まれた…そんな気がしましたね

「Heart Beat」

副題のカサノバというのは作家の人名で、自伝が映画化もされている…まあ、いわゆる性豪と言われた人ですね
「小さなカサノバ」だから、プレイボーイといった所なのかもしれない
ナイチンゲールも人名だとすると、あの有名な看護婦の事になるが、「街の」となっているので鳥の名前(ナイチンゲールという名前の鳥がいる)という事も考えられる

そしてこれはバラッド(Ballad)である
バラード(Ballade)ではない
バラッドとは物語の歌という意味であり、歴史物語の口承が起源とされている
ここでの佐野元春は、物語の語り部となっている…まさにバラッドという訳だ
バラードはバラッドから派生した言葉で、
バラッドにふさわしいスローで静かに語りかける音楽を指していたらしい

モダン・ジャズの名盤、ジョン・コルトレーンの「バラード」も原題はバラッズ(複数形)なので誤訳といえる
ビートルズの「ジョンとヨーコのバラード」もバラッドが正しい
全然バラードっぽくない曲調だし、ジョンとヨーコの物語なんだから、バラッドでなければおかしいんですね

「Heart Beat」は小さなカサノバと街のナイチンゲールの二人が夜を過ごし、やがて夜明けを迎える…そんな情景を描いているに過ぎないのだが、たまらなくドラマチックなのは何故だろう
♪Can you hear my heart beat?
僕のハート・ビートが聞こえるかい?
ハート・ビートとは「心臓の鼓動」の事なのだが
「心の鼓動」、「胸の高鳴り」と訳したいところだ

マルタツが体験した85年のライブでは,♪Can't you hear my heart beat?と歌ってるような気がしたな
CanではなくCan'tだと、さらにせつないよ
♪僕のハート・ビートが聞こえるだろう?
僕のハート・ビートが聞こえないのかい?



イヤ〜楽曲も長尺だけど、この記事まで長尺になってしまった…付き合いがいいな
まあ、これは12インチ・シングルなんだと思ってほしい(笑)
この曲に合わせた訳ではないが、ブログを書きながら夜明けを迎えてしまった…
実は、佐野元春に関してはまだ書きたい事が残っているんです…また日を改めて仕切り直しだ♪
その時はまた、真夜中のマニアック・クイズを出題します(笑)
Thank you for listening♪
サムデイ

サムデイ

佐野元春
「SOMEDAY」
作詞・作曲 佐野元春
昭和56年(1981年)



真夜中のマニアック・クイズ、MMQです(笑)
さて、このブログの前回の矢沢永吉と今回の佐野元春…二人をつなぐキーパーソンは誰でしょう?

そう、正解はスーパー・ダイナマイト・サキソフォン!ダディ柴田(柴田光久)です♪

矢沢永吉のサポートをしていたダディ柴田のロックンロール・サキソフォンは、佐野元春の目指していた「都市のロックンロール」には必要不可欠だった
ブルース・スプリングスティーンのバンドをお手本にしていたのだろう
「もうロックンロールはやりたくない」と言うダディ柴田を、佐野元春が直々に口説き落としたのだという

事実、佐野元春のバンドではリード・ギターが殆ど聞かれず、サックスがソロを取っていた
佐野元春の初期の代表曲「SOMEDAY」の間奏で聞かれる感動的なサックス・ソロ…あれはダディ柴田の演奏でなければならない

昨年、「名盤ライブ」と称したライブが行われた
佐野元春の30年前のアルバム「SOMEDAY」全曲を曲順通りに、そのままのアレンジで演奏するというものだ
このライブには、消息不明だったダディ柴田の参加は見送られていたらしい
が、なんと!奇跡的な再会があり、久々の共演となったらしい…

「SOMEDAY」は佐野元春の4枚目のシングルとして発表…初のセルフ・プロデュース作品で、アレンジも自身で手掛けている
81年の作品なんだけど、何故か佐野元春はいっつも82年の作品だと言い張っているんだ(笑)
そう、このシングルの入ったアルバム「SOMEDAY」は一年後の82年リリースなんだよね…ゴッチャになっているんだな
こういうのはリスナーの方がちゃんと覚えているんだよ♪

イントロの街のノイズのSE…この曲が特別なものであることをすでに雄弁に物語っている
着実に刻まれる古田たかしのドラムのビート、西本明のリリカルなピアノ、そしてダディ柴田のサックス…
レコードのジャケットにも初めてMotoharu Sano with the Heartlandと、バンド名が記されている
(それまでのレコーディングはスタジオ・ミュージシャンによる演奏だった)

フィル・スペクター調のエコーがかけられ、荘厳な響きを醸し出している
イントロにも流用されたサビにはカウンター・メロディ(対旋律)が散りばめられている
なかなか抜かりないプロデュースだ
楽曲自体もサビよりAメロ、Bメロ、Cメロの方が泣けるのだ
サックス・ソロはAメロのコード進行で吹いているしね♪

問題はアレンジだ
散々言われている通り、これはブルース・スプリングスティーン「ハングリー・ハート」そのものだよね?
過去のアルバムではギルバート・オサリバン「アローン・アゲイン」やビリー・ジョエル「素顔のままで」そっくりのアレンジをしたアレンジャーを非難していた佐野元春…
今度は自分でアレンジしてるのに、やっぱりパクるのかい?と、なっちゃいます(笑)
まあ、アレンジはいいとしても…メロディもそこはかとなく、エリック・カルメン「悲しみトゥー・マッチ」に似ていると思うんですが(笑)

若かった頃の自分のがむしゃらな情熱…それを振り返りつつも、いたずらに感傷に浸ったりはしていない
あの頃と同じように、今も、きっと「いつか」は…という希望を胸に抱いて生きている…
なかなかこの歌詞は大人になってから沁みてくるものがあるね

「信じる心いつまでも」と高らかにシャウトしているのは、一種の反語なのかもしれないよ?
きっといつかは…だって?そんな日なんて来ないかもしれないぜ…そんなの信じていられるかよ…
♪Oh,darlin'こんな気持ちに揺れてしまうのが本音なのかもしれないんだぜ?!

SOMEDAYとは「祈り」みたいなものかもしれないな…
これは永遠のエバーグリーンだ♪

「SOMEDAY」

レコードでは佐野元春が最後に何か吠えているぞ?
歌詞カードにはないフレーズだ
♪Now we're standing inside the rain tonight…
これを聞き取った時は、元春からの暗号を受け取ったぞ♪と随分興奮してしまった
(この映像はレコード音源なので、確認できますよ)
でも、このフレーズ…シングル盤のジャケットにデカデカと書いてあったんだね(笑)

「サムデイ」として、村上龍の小説にもなりましたね…思わず買ってしまったぞ(笑)
♪無邪気に笑える心が好きさ…
イノセンス…佐野元春の提示したロックンロールは、まるで十代のままみたいな瑞々しい感受性にあふれている
だからこそ衝動的で、感動的なのだろう
…と、僕は思うんだ←元春の口調をマネしてみました(笑)

佐野元春…なかなか語りつくせないので、
そのうち、また…Someday Soonにね♪
ひき潮

ひき潮

矢沢永吉
「ひき潮」
作詞 山川啓介
作曲 矢沢永吉
昭和51年(1976年)



矢沢永吉3枚目のソロ・シングル
アルバム未収録曲だが、エーちゃんの自信作だ
キャロルでデビューする前からしたためていた曲で、著書「成りあがり」には二十歳の頃に作曲したと書かれている
ロックというよりポップス…下手するとフォークとさえ言えるスタンダードなメロディで、作曲家として勝負してみたという事だろう
また、このシングルではバラードで歌い上げていて、シンガーとしても勝負している
…実はレコードでは声が裏返ってしまっているのだが、これがせつなくていいのだ
2年後の大ヒット「時間よ止まれ」では大人の色気を感じさせるが、この曲は若者のやるせなさに満ちている
これは泣いたな…

「ひき潮」レコード音源

「成りあがり」…コアなファンには怒られそうだが(笑)、あの本は糸井重里がゴーストライターだ
糸井重里が本の構成を考えて、ツアーに同行しながらインタビューを行い、そのテープを聞き書きとしてまとめたものだ
あとがきを糸井重里が書いているので、それで察してくれよ〜という事なんだろう
(コピーライターは基本的に匿名の仕事だから、糸井重里の名前が世に出たのは「成りあがり」と沢田研二「TOKIO」の作詞という事になる)
熱いトークがそのまま活字になったこの本は色褪せない
矢沢永吉の自称には3段階あると言われている
最初は「僕」、熱が入ってくると「俺」
そしてマックスに達すると「矢沢」と自称し始める…
誰が指摘したのかは忘れてしまったが、まったくその通りだね♪

矢沢永吉はCMに出過ぎだとよく言われる
でもそれは最近に始まった事ではなく、昔からの事ですからね〜
インスタント・ラーメン(袋めん)のCMもやってました
商品名が「ビッグ」なんだもんな〜(笑)あれは苦笑いだ
ビッグの次はグレイト…ヨロシク♪

「ひき潮」…最近のライブでは随分と渋く決めている
やるせない青春の歌から、大人の恋の歌に変貌しているね♪

「ひき潮」ライブ映像


♪さらば夏よ…
幾つになっても、夏の終りはせつないものだね
夏の終りが、青春の終りを感じさせるからなんだろうか
矢沢永吉もジョニー大倉も、そしてついでにマルタツも(笑)
9月生まれの乙女座なんです
夏が終わると、また一つトシをとるんだなぁ…と思いますね

それでは、また♪
ローリング・オン・ザ・ロード

ローリング・オン・ザ・ロード

萩原健一
「ローリング・オン・ザ・ロード」
アルバム「DON JUAN(ドン・ファン)」収録
作詞 東海林良
作曲 大野克夫
昭和55年(1980年)




テンプターズの解散、そしてPYGの自然消滅…
その後、役者として「太陽にほえろ!」「傷だらけの天使」「前略おふくろ様」と大活躍
もうすっかり俳優に転身したのだと思われていた萩原健一(ショーケン)だったが、ロックを捨ててはいなかった…
イヤ、最初のソロ・シングル「おまえに惚れた」は、タイトルから察せられる通り、演歌調の曲でしたけどね(笑)
その後、バンドを組んで(柳ジョージ&レイニーウッドもショーケンのバックバンドだった)のライブやレコーディングで、無事?ロックに軌道修正…
豊潤な大人のロックを聴かせてくれました♪

この時期のライブはライブ・アルバムにもなっているんですが、マルタツがよく聞いていたのはラジオの音源でした
「スーパー・ジャム'80」という、今で言う夏フェスかな?
その模様をオールナイト・ニッポンで放送していたんです(年末にフジテレビでもオンエアされました…ニッポン放送主催だったのだろうか?)
他にもハウンド・ドッグや、もんた&ブラザーズなどが出演…
実はサザンオールスターズ目当てで録音していたんですが(笑)
その夏の間、ずっとプレイバックしてましたね
そのフェスのトリがショーケンで、この曲が最後に演奏されていたんです♪

「Rolling On The Road」
https://youtu.be/cx91bQ9Oazw


この曲は内田裕也のバージョンで有名ですが、オリジナルはショーケンです
マッチ(近藤真彦)の「ぐでんぐでん」「愚か者」もショーケンがオリジナルだし…
作者のBOROのバージョンで知られている「大阪で生まれた女」も、BOROではなくショーケンの歌で、先に世に出ていた
ショーケンが歌うと、注目はされるのだがヒットしないのだ…ショーケン、ダメじゃん(笑)
その原因は、あの歌い方だ
ほとんど全部がフェイク(=元のメロディを崩すこと)だもんな〜あれじゃメロディが分かりにくい
ボブ・ディランと同類だね…音程も外れまくっているし
しかも、これでいいんだ♪と言わんばかりに、笑顔で開き直っているんだから(笑)

ロックは上手に歌ってはいけないのだ
うまく歌おうとすると、それはロックにはならない
魂の叫びに、上手も下手も関係ないのだ
ましてや、自分の歌に酔うなんてのは論外だ!
…そうは言っても、つい…やっぱり、うまく歌いたいもんですけどね(笑)

〈補足1〉「酒と泪と男と女」は作者、河島英五が「河島英五とホモ・サピエンス」時代の曲で、ショーケンはオリジナルとほぼ同時期に(演歌時代に 笑)カバーしている
ショーケンもこの曲を広めたといえるが、その後、河島英五がソロ名義で再発したシングルが決定版となった

〈補足2〉日本語も聞き取りにくいが、英語も聞き取りにくい
「ローリング・オン・ザ・ロード」の歌詞(英語の箇所)は、♪I'm a happy(lucky)man/I've(You've) too many friendsと歌われている


やっぱりショーケン、役者でも歌でも格好いいんだよな…
大人のロック…痺れます
大人にはなりたくない?そんな青くさい事、言うなよ
ロックは若者の文化だろうって?確かに60年代まではね…そうだったかもしれないな
けど誰もが大人になるんだよ
人生は続いていくんだ
若者には若者の憤りがあり、大人には大人の憤りがあるんだよ
なあ、大人こそロックが必要だと思わないか?
大人こそロックを理解して演奏できるような気がしないか?
ナニ?しないって?(笑)
まあ、いいから歌おうぜ♪

♪We are rolling to be free〜
人はそれを情熱と呼ぶ

人はそれを情熱と呼ぶ

サンボマスター
「人はそれを情熱と呼ぶ」
アルバム「新しき日本語ロックの道と光」収録
作詞・作曲 山口隆
平成15年(2003年)



夏には鬱陶しい暑苦しいバンド、それがサンボマスターだ
サンボマスター…いいバンド名だね♪一発で気に入ったな〜
サンボって格闘技だよね?フロントの二人が小太りだからのネーミングなんだろうか…

しかしヴィジュアルがここまで格好良くないバンドも余りいないよね…失礼だな(笑)
まあ、マルタツは他人とは思えませんけどね(笑)
眼鏡をかけた太った男がシャウトしてるんだもんな…親近感を覚えます(笑)

サンボマスターはギター、ベース、ドラムの3ピース・バンドで、よくパンク・ロック・バンドだと紹介されている
パンク?マルタツは一度もサンボマスター=パンクだと思ったことがない
サンボマスターは小洒落たコードを使っている
キーボードが入っていないのが不自然なくらいだ…ギター・バンドではありえない、テンション・コードの連発がたまらない♪
これは、意地でキーボードを入れていないんだと思う(笑)
山口隆(作詞作曲、ヴォーカル)のギターも歪みのないナチュラルな音色だし…
曲調もソウルへの傾倒が感じられて、なかなか音楽を聞き込んでいる奴だな〜と感心させられる
パンクなのは音楽スタイルではなく、その演奏スタイルと精神性にあるのだ

ファースト・アルバム…もう10年前になるんだなぁ
「人はそれを情熱と呼ぶ」…この曲はファンクですね
最高に格好いい曲だと思うな♪
まあ確かに、見た目とのギャップにやられます(笑)

「人はそれを情熱と呼ぶ」音源

衝動的なのがいいんだ♪歌わずにいられない感じがいい
ロックが本来持っていた初期衝動を持続させているし、メロディも感動的な曲が多い
しかし熱いな〜ストレートな歌詞なんだけど、シャウトしてるから聞き取れなかったりするよ(笑)

サンボマスターを知ったのは「月に咲く花のようになるの」のPVと、「季刊・渋谷陽一」だった頃の「Bridge」でのインタビューだった
何かにつけて、すぐ「ロックンロール!」という山口隆の物言い…
マルタツの下の世代にも、まだこんな人がいたんだ!と思いましたね
デビュー当時の佐野元春もそうだったかな?
まあ、ミュージシャンはよく「ロックンロール!」というのを使います(笑)
これは音楽としてのロックンロールじゃないんです…精神性ですよね、哲学みたいなもんです
内田裕也氏も未だに使ってますからね…マルタツも若い頃そうだったので、今聞くと少し恥ずかしくなりますが(笑)

「月に咲く花のようになるの」(松尾スズキ監督映画「恋の門」主題歌)
「ラブソング」
ただひたすら

ただひたすら

北公次
「ただひたすら」
作詞・作曲 北公次
昭和53年(1978年)




フォーリーブスのコーちゃん、北公次・・・
フォーリーブスといっても若い人は知らないかもしれないが、元ジャニーズ事務所所属のアイドル・グループだ
事務所の名前にもなったジャニーズというグループが最初のグループで、続く4人組グループとしてデビューしたのがフォーリーブスだった
(北公次はジャニーズの付き人をしていた)
二年前、北公次が亡くなった時に、当時はSMAPや嵐より凄い人気だったと報道されていたのを記憶している人もいるだろう
コーちゃん、ター坊、トシ坊、マー坊・・・
何故か北公次だけはコー坊ではない(笑)
本名は松下公次・・・芸名の「北」というのは、ジャニー喜多川の「喜多」から名付けられている
ジャニー喜多川の入れ込み具合が伺えるね
ジャニーさんも後年、フォーリーブスは北公次をデビューさせたいがために結成したグループなのだと明かしている


北公次のジャニーズ事務所への貢献は、なんといってもバック転だろう
中学時代に体操部だった北公次がダンスに取り入れたバック転は、当時はまだダンスではアクロバットの部類であり、画期的なものだった
その後、ジャニーズ=バク転となったのだから、功績は大だといえる
北公次は背が低く、ヒールのついた靴でバク転、バク宙をしていた
(少女時代もハイヒールでダンスしているね♪)
これには、男のアイドルには見向きもしない少年達にも注目させるインパクトがあった


当時のアイドルは寿命が短かった
今のジャニーズ事務所のタレントのように、マルチ・タレント化していなかったのだ
キムタクみたいに、アイドルが40歳を越えてもスターであり続けるなんていう事は、当時は考えられなかった事だった
新御三家(郷ひろみ、野口五郎、西城秀樹)が台頭してきた頃は、フォーリーブスも、もうアイドルの第一線には居られなかった
それでもジャニーズ事務所の看板スターとして頑張らざるを得なかったのだ
(川崎麻世とかもいたが・・・)
「踊り子」や「ブルドック」などはこの頃の曲であり、後にデビュー前の少年隊もレパートリーにしている
(デビュー前の錦織一清は、尊敬する先輩として北公次を挙げている)
郷ひろみもジャニーズ事務所だったのだが、バーニング・プロへ電撃移籍となってしまったのも大きい
郷ひろみが賢いのは、有望なジャニーズJr.も引き連れて移籍した事だ
これにはジャニーさんも相当堪えたらしい
かくして、たのきんトリオがブレイクするまで、ジャニーズ事務所は冬の時代となる
この時期、元ジャニーズのあおい輝彦が「あなただけを」など、ソロ歌手として活躍したのも、そんなお家事情があったのだ


フォーリーブスは当時のアイドルとしては珍しい、十年以上という活動ののちに解散した
そしてその翌年、北公次は覚醒剤所持で逮捕された・・・
アイドルの転落劇・・・不謹慎ではありますが、この報道でマルタツは北公次のファンになってしまったんです(笑)


北公次はフォーリーブスでは年長者であり、リーダー格であった
人気の低迷、ステージのマンネリに、独り悩んでいたという
フォーリーブス解散の三年前から、北公次は毎日覚醒剤を打ち続けていた
ステージでは奇声を上げたり、日本刀を持ち出して割腹自殺の真似までしている
アイドルとしては常軌を逸しているのだ
当時は本当に死にたいと思っていたらしい
本人は、自暴自棄になる事が、少年時代から ままあったと著書でも語っている


ジャニーズ事務所では給料明細をもらった事がないという
何か欲しいものがあれば、その都度メリー(ジャニーの姉)が買い与えてくれたらしい
覚醒剤の代金も、毎日のようにせびっていたのだろうか?
メリーは気付かなかったのか?
そんな筈はないだろう
ジャニーズ事務所を辞めた途端に発覚するという事は、それまでは事務所がうまく揉み消していたという事ではないのだろうか?


再起を誓って、北公次は作詞作曲に励んでいた
のちにバンドを組んで活動した時期があり、レパートリーだった「生きる」「ただひたすら」の歌詞は著書でも紹介されている
「ただひたすら」はフォーリーブス後期にも、ステージのソロのコーナーで披露している自作曲だ
NHKで放送されたこの映像は、解散を目前に控えていた頃のものだろうか?
苦悩をストレートに歌い上げている
規格外の声だ
完全にはみ出している
これはロックだ


「ただひたすら」
https://youtu.be/gVeywTBps3A


北公次はフォーリーブス時代に多くの曲で作詞を手掛けている・・・事になっている
というのも、実際はジャニー喜多川が代作しているのだ
ファンの関心を買うためなんだろうが、
さすがジャニーさん!なかなか乙女チックな歌詞を書いてるぜ(笑)


芸能人がプロダクションを移籍、独立すると、干されるのが世の常だ
ジャニーズの後輩、田原俊彦はフォーリーブスからちっとも学んでいないという事になる(笑)
松崎しげるのヒット曲「愛のメモリー」も北公次のソロ・シングルとして予定されていた曲だったが、レコード化は果たせなかった


北公次のフォーリーブス解散後の唯一のメジャーな仕事が、映画「竜二」への出演だろう
脚本・主演の金子正次扮する竜二の子分、ヒロシ役だ
後半、ヤクザとして のしあがっていくヒロシがカッコいい
金子正次は北公次のためにヒロシ役を用意したのだ
フォーリーブスで挙動不審だった北公次に、
この人、大丈夫なの?と惹かれ、ファンになったのだという
それにしても長渕剛・・・
彼のドラマ「とんぼ」での演技は、しゃべり方から蹴り方まで、金子正次の丸パクリだね
ストーリーが似ているからといって、演技まで似せなくてもいいと思うんだけど(笑)
金子正次は「竜二」の公開中に亡くなってしまったが、生きていたら絶対、
長渕剛は金子正次に蹴りを入れられてるぜ!


その後の北公次は、暴露本の「光GENJIへ」シリーズで一躍注目を浴びる
もちろん全部読破してしまった・・・ジャニーズに詳しくなってしまったのは北公次のせいだ(笑)
これを契機にあらゆるジャニーズ本を読んでしまい、一時期はジャニーズ・ファンの女の子より詳しくて、ドン引きされたな〜(笑)
その本で、バンドでCD(北公次&スカーフェイス「FLOWER」)を出したので、ぜひ聞いてくれと書いてあり、
通信販売でCDを購入した
さすがコーちゃん、ロック全盛期のリアルタイム世代なので、なかなかロックな聞き応えのあるアルバムに仕上がっている
(ジミ・ヘンドリックスのコピーの第一人者、中野重夫がギターで参加している)
収録曲は北公次の自作曲ではなかったが、独特のあぶないヴォーカルが堪能できた
でも封筒の宛名書きが・・・どうみても北公次本人の筆跡なんだよね
嬉しい反面、そんなに細々とやっているのか?と心配にもなりました(笑)


今世紀に入ってからは、フォーリーブスが再結成されましたが、すぐに青山孝(ター坊)が亡くなってしまうんですね
フォーリーブスは活動停止に・・・
そして今度は北公次が・・・


破滅型の北公次に、俺はロックを感じていたのかもしれない・・・


晩年の写真も、たまらなくロックを感じさせますが、髪の毛は実はヅラらしいです♪
覚醒剤常用の後遺症として、未だにロレツが回らない、物忘れがひどくて歌詞が覚えられないと、こぼしています
そうそう、映画「竜二」のセリフで「シャブはやるモンじゃなくて、売るモンじゃないんですか?」というのがあるんだ
このセリフを北公次に言わせるなんて・・・金子正次、なかなかブラックな奴だな♪
それはスポットライトではない

それはスポットライトではない

Rod Stewart
It's Not The Spotlight
1975



浅川マキのファンの皆様、ゴメンナサイ…
今回はロッド・スチュワートです

ロッド・スチュワートといえば、どうしても「セイリング」「アイム・セクシー」となってしまいますが、
個人的には、この「イッツ・ノット・ザ・スポットライト」が特に好きなんです…シングル・カットはされていませんが
それはスポットライトではない
マルタツは偏屈だという訳ではない(笑)


この曲の収録アルバム「アトランティック・クロッシング」はタイトル通り、
ロッド・スチュワートがイギリスからアメリカへと、大西洋を股にかけたイラストのジャケットになっている
サッカー・ボール(ロッドはサッカー選手だった)とスコッチ・ウイスキーを手にしているね♪
このアルバムからアメリカに拠点を移しての活動になる…気合が入っているのがわかります
アナログB面はSlow Sideと名付けられたバラード集
「もう話したくない」から始まって、「セイリング」で終わる…どれも名曲・名演・名唱だ

ブルー・アイド・ソウル(青い目のソウル)とは、白人の解釈による白人のソウルを指している言葉
ロッド・スチュワートは当時、最高のロック・シンガーと呼ばれていましたが、ブルー・アイド・ソウルの系譜に位置するシンガーです
黒人のモノマネではない、白人なりのソウルの体現…
まあ、なかなか黒人のマネは難しい…っていうのも、正直あると思いますが(笑)
ロッド・スチュワートはサム・クックがアイドルだったみたいですね

「イッツ・ノット・ザ・スポットライト」はロッド・スチュワートのオリジナルではない
作曲のバリー・ゴールドバーグ自身のバージョンが初出で、作詞のゲーリー・ゴフィンも自身でレコーディンクしている
ロッドはボビー・ブランドのバージョンで知ったらしい
「セイリング」もそうなんですが、ロッドは隠れた名曲を探し出すのがうまいね!
それをヒットさせて、自分のナンバーにしちゃうんだ…軽薄なプレイボーイのイメージで売ってますが、なかなかの音楽オタクなんです

冒頭の浅川マキですが、ロッド・スチュワートを敬愛していた彼女が日本語でカバーしたバージョン…そのタイトルが「それはスポットライトではない」なんです
ロッド・スチュワート版の邦題は、あくまでも「イッツ・ノット・ザ・スポットライト」なんですが(笑)
今回は邦題だけ使わせていただきました…失礼♪

♪あの光をまた感じる事ができるだろうか…俺はずっと待ち続けている…あの光、以前は感じていたのに逃してしまった…またいつか戻ってくると信じているんだ…
あの光…それはSpotlightじゃない
Candle LightでもStreet Lightsでもない
それはMoonlightやSunlightではない
その光は…おまえの瞳の中で輝いていたものさ
なあ、わかるだろう?

「It's Not The Spotlight」


作詞のゲーリー・ゴフィンといえば、そう!
名ソングライター・チーム「ゴフィン・キング」でキャロル・キングとコンビを組んでいた人だ
キャロル・キングとは離婚したゲーリー・ゴフィンが、この曲を書いたのは72年頃…当時、キャロル・キングはシンガー・ソングライターとして大成功していた
俺はあれからパッとしないし、ヨリを戻したいな…という歌なのかもしれないな?(笑)
でもそんな未練がましいラブ・ソングには聞こえない
この曲での「光」…キリスト教的な光のイメージもあるね
真理、救済みたいな…ね
そして人生の光と影…
ロッド・スチュワートのしゃがれ声が胸に沁みるナンバーです♪




〈Bonus Track〉
甲斐バンド「最後の夜汽車」は、明らかにこの曲にインスパイアされている
出だしからして♪スポットライトは〜ですからね(笑)
もっと凄いのが、浜田省吾「遠くへ」
これは替え歌なのか?!と思ったくらいです(笑)
でもどちらも名曲なんですよ…パクリには違いないんですが
ロッド・スチュワートの「イッツ・ノット・ザ・スポットライト」を聞いた感動が、そのまま曲に込められているんです
機会があれば、こちらも是非聞いてみて下さい(YouTubeにはないみたいだけどね 笑)
それでは、また♪
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