Listen To The Music

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サマータイム

サマータイム

Janis Joplin
Summertime
1968



今月はまだ更新していないけど、さてはListen To The Musicは夏休みなのか?
ウン・・・イヤ、夏バテなんです(笑)
その割にはFacebookには最近投稿が多いみたいじゃないか?(笑)
まあ、そういう事もあるんですがね・・・冷し中華、始めました・・・みたいな感じで許して下さい♪


「サマータイム」はジョージ・ガーシュウィン作、1935年のオペラ「ポギーとベス」の冒頭で歌われたナンバー・・・
オール黒人キャストという、当時では前代未聞の舞台だった・・・というのもあったのか、ビリー・ホリデーを始め、多くのシンガーによって歌われたジャズ・スタンダードでもある
邦題が「サマータイムの子守唄」となっている事も多く、歌詞を見ると、なるほど子守唄として書かれているのが理解できる
何とも物哀しいブルース・ナンバーなんだけどね・・・まあ、子守唄なのでさすがにシャウトはしないけど♪
「サマータイム」は、寝苦しい夏の夜の子守唄・・・毎年、夏になると思い出すナンバーなんです


まずは、クールでスタイリッシュなマイルス・デイヴィスのバージョンで涼んでみよう♪
ギル・エヴァンス・オーケストラとの共演だ
「サマータイム」はインストとしても実に多くのジャズ・ミュージシャンにカバーされているんだけど、みんなクセがありすぎるんだな(笑)
ジョン・コルトレーンのなんか、曲はアドリブの素材、曲を単なるコード進行としか見ていないんじゃないか?と思わせるね・・・まあ、それが痛快なんだけど♪

https://www.youtube.com/watch?v=jgmEY41baKM


やはり「サマータイム」と言えば、ジャニス・ジョップリンだろうね
最初の女性ロック・シンガーだ
ジャズ・シンガー達が、子守唄としてグッと抑えて歌っていたこの曲を、ダイナミックに歌い上げてしまったからかもしれない(笑) ロックな奴だな♪
物哀しさが爆発している・・・しゃがれ声が胸をしめつける・・・物凄いナンバーだ
最近の巧い歌手とは何かが違う・・・歌わずにはいられない衝動を感じるね
ロックはブルースを取り入れてヘヴィーになっていったんだな
27歳でドラッグによって亡くなったジャニス・ジョップリン・・・
その当日に歌をレコーディングする予定だった曲が、演奏だけラスト・アルバムに収録された
タイトルは「生きながらブルースに葬られ」・・・なんとも言い得て妙なんだよ

椎名林檎の「罪と罰」を聴いた時、ジャニスの「サマータイム」を思い出してしまったね!

https://www.youtube.com/watch?v=bMAnrGj4OCg


♪夏になれば、生活はラクになる
 魚は跳ねて、綿の木は伸びる
 父さんは金持ち、母さんは美人だ
 だから坊や、泣くのはおよし・・・

 ある朝、おまえは立ち上がって歌う
 そして翼を広げて飛んでいくだろう
 その時まで何もおまえを傷つけたりはしないよ
 だから坊や、泣くのはおよし・・・


夏になればラクになる・・・という事は、普段は厳しいという事だ
豊漁、豊作というのもあるが、夏は裸同然で過ごすので衣服を買わなくてもいい、暖を取る必要もない・・・おカネがかからないという訳だ
2番は、黒人が大人になって、一人立ちするのは大変な事なんだよ・・・それまでは父さん、母さんがおまえを守っているからね・・・という意味が込められている
「サマータイム」は生活苦のブルースであり、子守唄なんだね


さて「サマータイム」と言えば、あの人を忘れてはいけないだろう
そう、ミッシェル・ポルナレフです(笑)
ミッシェル・ポルナレフのライブ・ナンバー「トランペット」は、「サマータイム」をトランペットの口真似で歌う(演奏する?)という趣向ですね
トランペットに似ているかどうかは微妙ですが、当時は凄い!とマネまでしたもんです(笑)
「キャラバン」や「剣の舞」が出てくるバージョンもありますが、これはホンモノのトランペットと共演している初期のバージョン・・・無茶してるな〜(笑)
これで寝苦しい夜とはオサラバだ♪ グッナイ!

https://www.youtube.com/watch?v=c5ZUFs1zKe0
渚の想い出〜「月刊ポルナレフ」7月号

渚の想い出〜「月刊ポルナレフ」7月号

Michel Polnareff
Tous Les Bateaux,Tous Les Oiseaux
1969


「月刊ポルナレフ」7月号は、ミッシェル・ポルナレフの夏の名曲!
そう、「渚の想い出」です♪
日本では72年にリリースされている(画像)・・・「来日期待盤」というのがいいね!「来日記念盤」じゃないんだな
実は69年にも「追わないで」という邦題で発売されていたんだね・・・「シェリーに口づけ」でブレイクする前の話だ
「追わないで」・・・なんでこんなタイトルにしたんだろう?そんな歌詞も出てこないしね 
誰かがこのタイトルで日本語カバーでもしていたのか?なんて勘ぐってしまうな(笑)

フランスでは、この曲のB面が「シェリーに口づけ」だった・・・というのが日本のファンのトリビアなんです♪
つまり、この曲からシングル盤になるんですよ・・・それまでは本国では4曲入りEPとして新曲がリリースされていたんですね
この曲はEPとシングルの両方が発売されていて、最後のEP、最初のシングルになっているんです
アルバムはEP曲を集めた形で、後追いで発売されていた・・・でもすべての曲がアルバムに収録された訳ではない・・・
ポルナレフにはアルバム未収録曲が多いというのは、これなんです
これが日本のファンを泣かせたんですね(笑)

「渚の想い出」は風刺劇「ラブレ」の舞台音楽として作曲されている
作詞はジャン・ルー・ダバディ(ポルナレフでは「愛の休日」もそうですね)、
作曲はポール・ドゥ・センヌヴィル(「忘れじのグローリア」の人ですね)
残念ながらポルナレフの作品ではないのだが、ポルナレフが「ラブレ」の音楽として作曲したインストゥルメンタル「海」がEPには収録されている(日本でもアルバム「ポルナコレクション」に収録)
ひょっとするとカップリング曲の「シェリーに口づけ」も「ラブレ」の音楽として作曲されたのかもしれないね?
その後、映画音楽を手がけるようになるポルナレフの、作曲家としての第一歩になる訳だ・・・まあ、「渚の想い出」はポルナレフ作曲じゃないんですが(笑)

「渚の想い出」テレビでの口パク映像・・・
共演者の格好からして、サマー・ソング特集だったんだろうか?https://www.youtube.com/watch?v=ZFaOmnuezbQ

カモメの啼き声、船の汽笛・・・
これをイントロにして、いきなり歌が始まるというのがいいね♪
(カモメの啼き声のイントロは、サザンオールスターズの「チャコの海岸物語」でパクられてしまいましたが)
原題は「すべての船、すべての鳥」
タイトルそのまんまのSEだったんだね!余り考えていなかったんだな(笑)
邦題はワイルド・ワンズの曲みたいですが、これ以外はありえないってくらいの良いタイトルだと思う
ただ、このタイトルだと、過ぎ去った夏の日の恋を歌った歌だと思ってしまうんだな
実際、そう思ってしまったんだけど、歌詞を見ると現在進行形のラブソングなんだよね

♪〜君にあげよう 君が見たことのない
すべての船と すべての鳥、すべての太陽を
すべてのバラと 君の目を奪うものすべてを
泣かないで・・・
僕は君の夢を見たんだ
君はやってきた
僕は君を見つけた この通りで
ラララ・・・

しかし美しい曲だね・・・フランス映画の世界だ
何ともドラマティックで、憧れたもんです
まあ誇大妄想狂の歌だといえない事もないが(笑)、一途なのがいいね
こんなのを思春期に聴いてしまった訳だから、ただハッピーなだけのサマー・ソングでは物足りなくなってしまったんだな(笑)
狂おしい程のせつなさ、やるせなさ・・・それを歌い上げてほしくなってしまう
そういった意味で「渚の想い出」・・・この曲は自分にとって究極のサマー・ソングなんです♪


最後は、ポルナレフ・アレルギーの方へ・・・ポルナレフ抜きの映像を(笑)
「すべての船、すべての鳥」を
すべての音楽ファンに捧げます♪


「Tous Les Bateaux,Tous Les Oiseaux」
https://www.youtube.com/watch?v=_FNwaGahTWo
君に捧げるサンバ

君に捧げるサンバ

Santana
Samba Pa Ti
1970


イヤ〜暑いね!夏だな〜
エアコンのない部屋でヒーヒー言っています・・・これは職場にいる方が快適だな(笑)
まあ暑がってこそ夏なんだ・・・北海道の短い夏を楽しもうではないか♪
(な〜んてね、かなり強がってます)
しかしこう暑いと何も考えられないし、何も考えたくなくなるね!
理性が働かなくて、恋に身を焦がす夏・・・というのはこういう事なんだろうか?(笑)
今回は夏という事で、ベタにサンタナをリコメンドしてみたい・・・ホントに何も考えてないな!(笑)
グダグダな雑談になりそうですが、よろしければお付き合い下さい♪

サンタナといえば、ラテン・ロックの雄だ・・・というか、ラテン・ロックというジャンルを独自に切り開いて疾走していった・・・というのが正しいかもしれない
他の追随を許さない・・・他に誰もやらないというのもあるけど(笑)
元々は「サンタナ・ブルース・バンド」と名乗っていたらしいから、ブルース・ロックをやっていたんだね・・・長尺の演奏はそこから来ているんだな(笑)
リーダーのカルロス・サンタナがメキシコ出身だというのもあって、ラテン風味にしてみたら?と助言されて、このスタイルになったらしい
カルロス・サンタナの情念のギターが、このサウンドを呼んでいたんだろうね♪

69年夏、ニューヨークで行われた伝説の野外ロック・コンサート、ウッドストック・ミュージック・フェスティバル・・・
現在の「夏フェス」のルーツだね
そこへ出演して、無名のバンドだったサンタナは一躍、絶大な支持を受ける事になる
ラテン・パーカッションの乱打による狂騒的なリズム、ラテン特有の熱情的な旋律は、まさに祝典(=フェスティバル)に相応しい音楽だ

ラテン・ロックの噂を聞いたのか?あのビートルズも「アイ・ウォント・ユー」(69年)でラテン・ロックをパクッている・・・というかパロッているよね♪
サンタナの「ブラック・マジック・ウーマン」(70年)みたいなんだけど、ビートルズの方が先なんだよね
これはサンタナに「ブラック・マジック・ウーマン」を演れよという示唆かな?
ビートルズの「サン・キング」が、フリートウッド・マックの「アルバトロス」をパクッたというのは有名な話で、
「ブラック・マジック・ウーマン」もオリジナルはフリートウッド・マック(68年)だしね・・・どうなんだろう♪
(注:フリートウッド・マックのバージョンはラテン・ロックのアレンジではない。サンタナがカバーした「ブラック・マジック・ウーマン」は大ヒットとなり、サンタナの代表曲になっている)

サンタナといえば「哀愁のヨーロッパ」(過去記事)の人でしょ?と思っている人も多いと思う・・・泣きのギターだ
歌謡曲・・・いや演歌の世界に近いよね?
八神純子のデビュー曲「思い出は美しすぎて」もサンタナ?!みたいなギターに驚かされたものです
八神純子はボサノバのつもりで書いたんだろうけど、アレンジャーがラテン・ロックにしたのは正解♪ ボサノバもサンバから派生したラテン音楽だしね

カルロス・サンタナはテクニックで聴かせるギタリストではない
感情のおもむくままに、思い入れたっぷりに演奏する・・・
まさにギターで歌っているというのが魅力的なギタリストだ
プリンスが最も影響を受けたと公言しているギタリストでもある
プリンス・・・なかなかのギター奏者だと思いますよ?余り評価はされてませんが(笑)

「哀愁のヨーロッパ」(76年)はマルタツが洋楽を聴き始めた70年代前半にはまだリリースされていなくて、
サンタナといえば「ブラック・マジック・ウーマン」の印象が強かった・・・あと「君に捧げるサンバ」かな
これがラテン・ロックなの?ロックというよりラテン歌謡だな・・・なんて思っていました(笑)
よくわかっていなかったんだね
認識を改めたのは73年のシングル「果てしなき道」ですね
これがラテン・ロックか!これはイイな!と思いました♪

YouTubeにはシングル・バージョンがなかったので
長〜いアルバム・バージョンを2分54秒から再生してください(笑)
そうすると、擬似シングル・バージョンになります♪
「Every Step Of The Way (果てしなき道) 」
https://www.youtube.com/watch?v=AHVLGWT9jFM

「君に捧げるサンバ」は日本公演のライブ・アルバム「ロータスの伝説」(74年)からシングル・カットされている
有名曲だけど、それまで意外にもシングルA面になっていなかったんだね
これはカルロス・サンタナの作曲で、カルロス・サンタナ単独の作品というのは意外に少ない
なんともロマンティックなメロディ、構成のインストゥルメンタルで、
これは歌詞を付けて歌物としてリリースされたとしても、絶対にヒットしていたんだろうなと思わせる
歌詞?そんな野暮な事は言うなよ〜そう言わんばかりのギター・プレイだね
なんたってタイトルが「君に捧げるサンバ」なんだから、これは最高のラブソングだと思うよ♪


そういえば5年くらい前だったかな?カルロス・サンタナが演奏中のステージでプロポーズをして話題になった事がある
お相手はバンドのメンバーのドラマーの女性だ
その場でOKをもらったというんだから、お互いに乗りが良すぎるな(笑)
これには観客も拍手喝采、野次の嵐だろうね!
やるな〜!オヤジになってもラテン野郎は元気いっぱいだね♪


「君に捧げるサンバ(Samba Pa Ti)」
https://www.youtube.com/watch?v=DWO_eojWezg

P.S.最近のYouTubeって広告がウザイんだよね〜
暑苦しいので、今回は「埋め込み」にしてみました
(追記 これ以降は調子に乗って、埋め込みにしています(笑)
過去記事もリンク切れの修正の際に、随時、埋め込みに変更していきます)
これだと広告が入らないし、「次の動画」も自動再生されないのが良いね
埋め込みは重くなるから、ホントはイヤなんだけどね・・・ガラケーでも見れないし(笑)
ロック・アラウンド・ザ・クロック

ロック・アラウンド・ザ・クロック

Bill Haley And His Comets
( We're Gonna ) Rock Around The Clock
1954


真夏の夜はロックンロール!
突然ですが、今夜はロックンロールです(笑)
「ロック・アラウンド・ザ・クロック」は今からちょうど60年前、1955年の夏のヒット曲になるんだね
この曲はロックンロールで最初のヒット曲とされているが、同時にロックンロール最大のヒット曲でもある
自分達の世代は映画「アメリカン・グラフィティ」のオープニング・ナンバーとして馴染みが深い・・・あれ、ジョージ・ルーカスが監督なんだよね?意外でした

「ビル・ヘイリーと彼のコメッツ」というのがいいねえ♪ グループ名まで日本語訳してしまうのは、今ではちょっと考えられない
「サイモン・アンド・ガーファンクル」と言われてもピンと来ないし・・・やっぱり「サイモンとガーファンクル」じゃなければね♪
そういえば「カラベリと きらめくストリングス」なんてのもあったな!(古いね〜笑)
まあ、これはフランス語だったから分りやすくしてくれたんだろうね
ビル・ヘイリー・・・往年の横山ノックみたいなヘアスタイルが気になります(笑)

作詞作曲はマックス・C・フリードマン、ジミー・ディ・ナイト(ジェイムズ・E・マイヤーズ)・・・いわゆる職業作曲家だ
マイヤーズは30代だったが、フリードマンは60代にさしかかろうとしていた
そんなオジイチャンが、ティーンエイジャーの音楽とされるロックンロールの最初のヒット曲を書いていたというのが興味深い♪

1952年にビル・ヘイリーのために書かれたこの曲は1954年にリリース・・・でもヒットはしなかった
B面に回されたんだから、そりゃあヒットしないだろう(笑)
で、作家の二人が売り込んだ・・・営業活動したんだね♪
そして翌年、映画「暴力教室(Blackboard Jungle)」の主題歌として使われて大ヒットとなる
今風に言うとタイアップだった訳だ・・・全然ロックじゃねえな(笑)
でも、ロックンロール=十代の反抗的な音楽 となったのは、この映画の影響が大なんだろうな〜
なにしろ、これがロックンロールの最初のヒット曲なんだからね♪

「Rock Around The Clock」

♪1、2、3時だ 4時だよ ロック!(笑)今夜は朝までロックしようぜ!
そんな歌詞ですが、朝までロックンロールを演奏するぜ♪ロックンロールで踊り明かそうよ♪という意味の他に、
一晩中愛し合おうぜ♪という意味が隠されている
ロックンロール・・・ロック・アンド・ロール・・・ロックしてロールする・・・つまりロックンロールとは元々、性行為を意味するスラングだった
マイケル・ジャクソンの「ロック・ウィズ・ユー」もそういう歌だしね

「ロック・アラウンド・ザ・クロック」はスウィングしているんだよね
ジャズに近い演奏なんだ・・・4(フォー)ビートだしね
ロックを感じさせるのは、やはり8(エイト)ビートだろう
このスウィング感はロックンロールがロックとなる過程で失われてしまう・・・ロック&ロールのロールの部分は省略されてしまったみたいだ
これは違うだろ?という、後続のミュージシャンの解釈なのかもしれないね
・・・若くて未熟なバンドには演奏できなかった?それもあると思います(笑)

それにしても、この曲の間奏のギター・ソロはロックしてるね!
ジャズの粋で流麗なソロというより、自由に暴れ回っている感じがいい
後年のロックのように音を歪ませてはいないのに、充分にノイジーなのはサスガだな♪

ロックンロールのベースになっているのはブルースだ
この曲もスリー・コードで、12小節のブルース進行の曲になっている
乱暴な言い方をすれば、ブルースをアップテンポにしたのがロックンロールだとも言えるだろう
黒人のロックンロールはリズム・アンド・ブルース(R&B)と呼ばれたりするしね

ビル・ヘイリーもカントリー出身だし、白人が黒人のR&Bを取り入れたという事なんだろうな
まだまだ黒人音楽はアクが強くて、果汁30%くらいに薄めないと受け入れられなかったんだね
しかしビル・ヘイリー、まだ30代になったばかりの筈なのにオッサンくさいな(笑)
これでは十代のテーマ・ミュージックとしてメジャーになったロックンロールには相応しくない・・・とされたのも仕方ない
次々と若くてカッコイイ白人ロックンロール・スターが登場する時代になる訳だ・・・みんなジェイムス・ディーンみたいなイメージなのは御愛嬌だね♪

「Rip It Up」

「リップ・イット・アップ」はリトル・リチャードのオリジナルよりビル・ヘイリーの方がロックンロールしているぜ!やるじゃん、横山ノック(笑)
しかし、この映像、誰もビル・ヘイリーには目もくれずに踊りまくっているね〜まあ映画の1シーンというのもあるんでしょうが・・・
音楽すらどうでもいいって感じで、完全に主役は踊っている連中というのがいいね
ロックンロールとは「楽しもうぜ!」という、パワフルでポジティブな音楽なんだと思うよ♪
こういうのを観ると、ロックンロールはダンス・ミュージックなんだなぁと改めて感じます、ハイ


サヨナラは、もちろんこの曲・・・タイトルのアリゲーター(ワニ)はレイターとの単なる語呂合わせで、意味はない
オヤジギャグみたいでいいんじゃない?ビル・ヘイリーにはピッタリだね♪
・・・失礼しました(笑)

「See You Later Alligator」
嘲笑

嘲笑

ビートたけし
「嘲笑」
作詞 北野武
作曲 玉置浩二
平成5年(1993年)


NASAが打ち上げたニューホライズンズが、いよいよ7月14日に冥王星に最接近する♪
冥王星が惑星から降格してしまったのは2006年・・・
しかし、それ以降も冥王星には新たな衛星(月)が発見されていて、現在ではカロン、ニクス、ヒドラ、ケルベロス、ステュクスと、なんと5つも衛星が確認されている
(注・この画像では3つしか確認できません・・・スミマセン)
地球には衛星が一つしかないのに・・・小惑星のクセに随分とナマイキな奴だな(笑)
80年代のボイジャーの接近で、天王星や海王星の姿が明らかになったように、やっぱり行ってみなけりゃホントのところはわからない
今回のニューホライズンズの観測で、どこまで冥王星の実体に迫ってくれるんだろう?
イヤ〜ワクワクします♪ 実は冥王星が想像以上に大きな惑星で、惑星に復帰?なんて事になったら面白いんですが(笑)

そういえば7月7日は七夕でしたね・・・全国的にはね(笑)
というのも、北海道ではひと月遅れの8月7日に行われていたりする
旧暦の7月7日が現在の8月15日あたりだかららしい
あたり・・・とアバウトなのは、旧暦は月暦なもんですから御勘弁を♪
つまり旧暦の7月7日は、必ず上弦の月になっているんだそうだよ


星を見るのが好きだった少年・・・ビートたけしは大人になり、自らが星(スター)となった
ビートたけしは本職の歌手ではないが、実に多くのレコードをリリースしている
漫才ブームの頃はお笑い芸人の誰もがレコードを乱発していたが、ビートたけしはその後もコンスタントに「歌手」としての活動を継続していた
歌は上手いか下手かと言われれば、間違いなくヘタだ(笑)
でも圧倒的に声が凄い・・・この声の存在感、説得力は何だろう
和田アキ子はたけしのアルバムを聴いて、歌手をやめたくなった・・・というくらい、打ちのめされたらしい
この声に惚れた作家陣が楽曲提供する訳だから、なかなかの佳曲揃いなのだ

「TAKESHIの たかをくくろうか」は谷川俊太郎の詩に、坂本龍一が曲を付けている
演奏はYMOだ・・・とはいってもシンセ・サウンドじゃなくて、アコースティックな編成だけどね♪
これは大人の童謡かな?
(70年代にも、この詩に小室等が曲を付けて歌っているバージョンがあるため、たけしバージョンはタイトルが「TAKESHIの〜」になっている)

「浅草キッド」に代表される、たけし本人が作詞・作曲を手掛けた曲もなかなか侮れない
ザ・バンドみたいな曲調が、たけしの音楽の許容量の多さを思わせる
これはツービート以前に組んでいた相方との実話らしい…泣かせますね

大沢誉志幸作曲の「ハードレインで愛はズブヌレ」もいい・・・ありふれた大人の男のさりげない歌というのは、ありそうでなかなかない世界だ

「嘲笑」は、元々ビートたけしの詩集「KID RETURN」に収められていた一遍の詩だった
その詩を気に入った玉置浩二が、詩の冒頭の部分に勝手に曲を付けて、ビートたけしに送ったらしい
それを聴いたビートたけしは、そのメロディに合わせた2番の歌詞を作詞して、玉置浩二に送った・・・
そうしてこの曲が生まれた・・・二人とも、なかなか小洒落た事をするね〜♪

歌詞になった「嘲笑」には、嘲笑という言葉が出てこないので、何故タイトルが「嘲笑」になっているのか、分かりづらいかもしれない
オリジナルの詩は、人類がやっている事をまるであざ笑っているかのような、それでいて少しも冷たさを感じさせない星々のささやき・・・それがうれしい・・・
確か、そんな詩だったかな
星たちが人間を見下している・・・究極の「上から目線」だな(笑)

「嘲笑」

大昔の人々にとって、夜空の星は最高のエンターテイメントだったんだろうな
自分も♪星を見るのが好きだ・・・ですが、今住んでる所は全然星が見えない・・・
月と金星くらいしか見えないぜ(笑)
空が明るすぎるんだね・・・夜でも雲が見えるのは何とかしてほしい(笑)

上から目線のエラそうな奴、勘違いした輩はホントに困った人達です
やっぱり自分を笑えないような奴はダメだな
もっと星を見て、広大な宇宙を感じ、自分の存在なんて・・・と謙虚にならなければダメだ(笑)

「嘲笑」とは他人をバカにした笑いではなく、他人を愛しく許すものであってほしい
嘲笑とは、自分への照れ笑いみたいなものだね♪
忘れじのグローリア〜「月刊ポルナレフ」6月増大号

忘れじのグローリア〜「月刊ポルナレフ」6月増大号

Michel Polnareff
Gloria
1970



「月刊ポルナレフ」・・・今月号は増大号として「特集:ポルナレフの変容〜青年ミッシェルからスター、ポルナレフへ」をお送りします
今月の歌「忘れじのグローリア」との2本立てです
7月3日はミッシェル・ポルナレフの71回目の誕生日・・・という事でね♪
欲張りすぎて、また今月号も締め切りギリギリになってしまいましたが(笑)
さあ、今月もポルナレフの世界で思い切り遊んでみよう♪


ミッシェル・ポルナレフといえば、やはり「カーリー・ヘアに、白ブチのサングラスの人」というイメージが強い(画像)
これはカッコイイのか?イヤ、そうは思えない
明らかに変だ・・・子供心に宇宙人みたいだな♪なんて思っていたよ(笑)
しかし、このルックスになったのは意外に遅く、レコードのジャケットで確認できるのは72年の大ヒット「愛の休日」以降の事なんです
71年の「シェリーに口づけ」の日本盤ジャケットでもサングラスはかけているが、改めて見直すと まだストレート・ヘアのポルナレフだったりする・・・
それなのに違和感がないというのは、強烈なイメージで上書きされたという事なのかもしれない
完全に刷り込まれていたという訳だなぁ・・・

日本ではCBSソニー(エピック・レーベル)に移籍してからメジャーになったというのもあるが、素顔のポルナレフが拝めるのはファースト・アルバムのジャケットくらいのものだった
だから素顔時代はデビュー当時だけなのだろうと錯覚してしまったのも無理はない
現在はYouTubeで過去の映像が簡単に視聴できるので、あれ?素顔の時代が想像以上に長いぞ?と驚かされてしまった訳だ
完全に刷り込まれていたんだなぁ・・・

ここで整理してみよう
第1期は「ミッシェル青年期」・・・これはデビューの66年から68年までの素顔時代だ
つぶらな瞳の青年ミッシェルは純真で繊細な印象だ・・・あくまでもイメージですけどね(笑)
第2期は「プレ・ポルナレフ期」・・・69年から71年がここに該当する
この時期からサングラスを着用するようにはなったが、まだ普通のサングラスであり、ヘアスタイルもデビュー当時のサラサラなストレート・ヘアのままだ
眼鏡の使用は視力の低下によるもので致し方ないものだったらしいが、サングラスにしたところが芸能人ポルナレフの予兆を感じさせる
ポルナレフ化が進行しているといっても差し支えないだろう
そして72年以降が第3期、「俺様ポルナレフ君臨期」・・・ここで完全にポルナレフ化を果たす(笑)
正確には71年の秋で、このイメージ・チェンジは当時フランスのメディアでも大きく報道されたらしい
恩人ルシアン・モリスの自殺や母親の容態悪化、マネージャーの金銭持ち逃げなどで精神的なダメージが大きかったのか?
ついにアタマが爆発して、チリチリ・ヘアになったのかもしれない・・・な訳ないか?(笑)
この変貌にはポルナレフ本人がいたく御満悦だったそうで、
完全な別人として、新たな人格を手に入れたポルナレフは一人、フフフ・・・と ほくそ笑んでいたに違いない♪
これはグラム・ロックの時代に便乗した・・・あるいは同じピアノ弾きのシンガー・ソングライター、エルトン・ジョンの奇抜な衣装、台頭に影響されたと考えられなくもない
奇しくもほぼ同時期なんです
このニュー・ポルナレフは、派手でワガママ、神経質そうでピリピリしている・・・といった印象を与える
確かにこれはロック・スター!という感じがするね♪

このポルナレフの新人格によって、伝説の数々の奇行が始まったのではないか?
見るからに奇人、変人だもんなぁ・・・俺様、ポルナレフの奇行をもう誰も止められない
中でも有名なのが、来日時に「東京は空気が汚い・・・酸素ボンベを用意しろ!」と日本のスタッフを慌てさせた事だろう
証拠として、日本のホテルで浴衣を着て、酸素ボンベのある部屋でくつろいでいるポルナレフの写真が残されている 
冗談ではなく、マジだったんだな
また本国で、オランピア劇場の公演のポスターに自分のヌード写真を披露して、物議を醸した事も奇行の第一に挙げられるだろう
元々、自分の肉体にはコンプレックスを持っていたらしい・・・ブルワーカーの雑誌広告みたいに、女性から「貧弱な坊や」とバカにされたのかな?(笑)
肉体改造して、極真空手の有段者になってからは、その反動で露出狂になってしまったんだろうね
イヤ〜ポルナレフ、やってくれます♪
これは素顔のミッシェル青年には考えられない突き抜け方だと思うよ

井上陽水も70年代はカーリー・ヘアだったけど、それはどうやらポルナレフの影響だったらしい
御本家ポルナレフは現在でもカーリー・ヘアに白ブチサングラスで健在ですよ♪
ただし寄る年波で、チリチリヘアは大分薄くなってしまいましたが・・・(笑)
フランスでは現在でも国民的なスターですが、フランスには帰国しないで今もロスアンゼルスで暮らしています
やっぱり偏屈なんですね〜(笑)そうこなくっちゃ♪



それではここらで一服しますか♪ ポルナレフのように浴衣でくつろぐとしよう
みんな、酸素ボンベは用意したかい?(笑)
ミッシェル・ポルナレフで「忘れじのグローリア」をお聴き下さい・・・
https://youtu.be/DQzmBv__ymQ


「忘れじのグローリア」は、日本では72年の大ヒット「愛の休日」に続くシングルとして73年にリリースされた
72年には初来日もしていて、ポルナレフ人気も最高潮の時期でしたね♪
悲しみを高らかに歌い上げるこの曲を聴くと、あの当時のポルナレフ・ブームの高まりを思い起こすんです
当時のポルナレフとカーペンターズはマニアックな洋楽というジャンルを越えて、日本の全音楽ファンに受け入れられていた・・・あの支持のされ方はちょっと他に類を見ない
ひょっとしたら、ポルナレフとカーペンターズの楽曲は「歌謡曲」として親しまれていた・・・という事なのかもしれないね
この曲はフランスでは70年に発表されている・・・いわゆるプレ・ポルナレフ期(笑)の曲だ
(オマエが勝手に言ってるだけだろう・・・って話ですが♪)
新曲ではなくて、過去のフランスでのヒット曲を持ち出してきたところが、日本のレコード会社もなかなかあざといね!
確実なヒットが欲しかったのかな?
まあ、そんな過去の実績に囚われているようではまだまだだな(笑) 

この曲はピエール・ドラノエ作詞、ポール・ドゥ・センヌヴィル作曲の作品で、ポルナレフの作曲ではない
それまでも作詞家が作詞するケースはあったが、作曲はポルナレフ本人が行っていた
優れた作曲家であるポルナレフがどうして他人の作品をシングルとしてリリースしたのか?
スランプ?それはない 
真のアーティストは逆境によって、その表現がさらに輝きを増すものだしね
この曲を作曲したポール・ドゥ・センヌヴィルはポルナレフが所属していたレコード会社、ディスクAZのディレクター
この時期にポルナレフの担当になったので、ポルナレフに無理矢理自作曲を歌わせたという事らしい
作曲とはいっても、ポール・ドゥ・センヌヴィルはピアノは弾けないし、楽譜も読めない・・・プロの作曲家というより、ディレクターが作曲にしゃしゃり出たといった所だ

「わかったよ、ポール。そのかわりB面は自分で書くからね?どっちの曲が受けるか勝負しよう」
「何言ってんだよ、ミシェル。B面がヒットする訳ないだろう?」
「じゃあ、もしB面をヒットさせたら約束してほしい事があるんだ」
「面白い・・・聞かせてもらおうじゃないか」
「アルバムを制作させてほしい。今までのアルバムは4曲入りEPとしてリリースされた曲の寄せ集めだろ?もう、そんな時代じゃないんだ。ビートルズのサージェント・ペパーズは聴いただろう?トータル・アルバムとして新曲を録音するんだ。アーティストとして、シングル・ヒット狙いのポップ・チューンばかり書いているようじゃ もう時代遅れなんだよ」
そしてポルナレフはホントにB面曲の「僕は男なんだよ」を大ヒットさせます
フランスではポルナレフの代表曲の一つにもなっているんだから大したものだね
この曲はポルナレフのホモ疑惑を逆手に取った歌になっていて、話題作りでポルナレフの作戦勝ちといった所だろう
(こちらも作詞はピエール・ドラノエ)
なおポルナレフとポール・ドゥ・センヌヴィルの会話は全くの憶測ですが(笑)

確かに「忘れじのグローリア」は聴き込むとポルナレフの楽曲らしくない箇所が散見される
まずスケールが大きすぎる・・・ポルナレフはここまで大仰な曲は書かない
メロディの音数も少ないし、休符が多いのも微妙にポルナレフしていない
ポルナレフが書きそうで、実は書かない曲をディレクターの視点で提案しているのが、なかなか心憎い
ここでのポルナレフはヴォーカリストに徹していて、独特の泣き節まで披露している・・・やっぱりいい歌手なんだな♪

緻密なアレンジも特筆モノで、小技が効いている
シンセザイザーの導入が70年代の到来を告げているね♪
ここまで完全なプロダクションを施すと、結果として歌謡曲に接近する事になる
この曲は♪グロ〜リア・・・だが、♪ニ〜ナ・・・と歌った沢田研二の「追憶」、
♪ロ〜ラ・・・と歌った西城秀樹の「傷だらけのローラ」は、明らかに「忘れじのグローリア」を下敷きに作られているのは間違いない

ポルナレフはこの曲に違和感があったのかもしれない
ライブ音源では自分の歌い回しに近づけようとしているのか?テンポを速めたアレンジになっていて、オリジナルの壮大なスケール感を失っている・・・台無しだな(笑)
でもイントロや間奏のメロディは、ライブ・バージョンの方がずっとポルナレフらしくていいね♪

「Gloria」 Live Audio

ポール・ドゥ・センヌヴィルはこの後、リチャード・クレイダーマンのデビュー曲にして代表曲「渚のアデリーヌ」を作曲している
とてもフンフンフ〜ンと鼻歌で作曲したとは思えない・・・なかなか大した作曲家なんだよ
「忘れじのグローリア」はドラマチックなのがいいんだな
やはりサビでメジャー(長調)になるのがいい
この高らかな歌い上げの連続は、ポルナレフも密かにいいな♪と思っていたんじゃないだろうか?
この曲は当時のシングルとしてはかなり長めの部類だね・・・ホントになかなか終わらない曲なんだ(笑)
この歌い上げパターンは後の自作「愛の伝説」で応用しているような気がするんだけどね♪

♪ グロリア・・・
   君をしっかり愛する事ができなかった
   僕を許してくれ
   僕の岸辺に戻ってくれ
   グロリア・・・
   何故君は去ってしまったのか
   この長い旅を僕は一人で終える事はできない
   グロリア・・・

グロリア!(栄光あれ)というのは、賛美歌でよく聴かれるフレーズだ
この曲は失った愛の賛美歌という事なのかもしれないね♪
ならず者

ならず者

Eagles
Desperado
1973


イーグルス「ならず者」です
とはいっても今時、この曲をこの邦題で呼ぶ人は少ないかもしれない・・・
「ならず者」なんて言う奴は、そいつが「ならず者」だ(笑)
確かに今では原題の「デスペラード」の方が通りがいいですね
Desperadoとは、アメリカ開拓時代の無法者、命知らず、犯罪者の事で、スペイン語が語源らしい
Despair(絶望)という英語があるから、絶望した人の事かな?と勝手に考えてました・・・違ったか!(笑) でもたぶん語源は同じなんだろうと思うよ

この曲は当時は知らなかったなぁ、イーグルスはデビュー曲の「テイク・イット・イージー」は知ってたけど・・・
73年頃は毎晩、朝までラジオを聴いていたんだけどね・・・やっぱりシングルになっていないからか?リンダ・ロンシュタット、カーペンターズのカバーの方を先に耳にしました
カーペンターズ・バージョンの邦題は「愛は虹の色」・・・確かにRainbowという歌詞は出てきますが、これは「ならず者」とはイメージが違いすぎるだろう(笑)

イーグルスはリンダ・ロンシュタットのバック・バンドとして結成・・・その頃からコーラスが売りだった
ウエスト・コーストの連中はホントに、ビーチ・ボーイズの時代からコーラスが強力なんだな〜イーグルスは全員がリード(ヴォーカル)を取れるしね
イーグルスは自分にとって最もアメリカを感じさせるバンドです
サウンドもそうですが、やはり75年のアルバム「呪われた夜」の大ヒットで、アメリカの国民的なバンドとなったのも大きいです
考えてみたらバンド名もイーグルだし、鷲(ワシ)はアメリカの国鳥ですもんね
そしてアメリカ建国200年の76年にはアメリカを憂いた傑作アルバム「ホテル・カリフォルニア」をリリース・・・
個人的には「ホテル・カリフォルニア」は、滅多に対訳を載せないワーナー・パイオニアさんが(ディープ・パープルやレッド・ツェッペリンのアルバムには全然対訳がなかったのに!)珍しく対訳を掲載したアルバムとして、特に印象に残っているんです(笑)

「ならず者」はイーグルスのセカンド・アルバムのタイトル・チューン
アルバム・ジャケットはイーグルスには珍しく、オリジナル・メンバーの4人
(グレン・フライ、ドン・ヘンリー、ランディ・マイズナー、バーニー・レドン)が写っている(画像)
アルバムが西部開拓時代のならず者をテーマにしているため、まあ早い話がコスプレだ(笑)
このタイトル・トラックは、そんな「ならず者」へ呼びかける歌になっている
まあ実際は、アルバムのテーマ・ソングにかこつけて、ドン・ヘンリーが友人へ向けて書いたとされている
なるほどね・・・そんな見知らぬ開拓時代のならず者に思いを馳せても、心を打つ曲は書けないだろうし(笑)
優しい眼差しで、諭すように語りかけるこの曲・・・そりゃあイーグルス自身も「ならず者」だからなんだと思う(笑)
ミュージシャンで食って行こうとする奴は、みんな「ならず者」なんだよ♪

リンダ・ロンシュタットはこの曲を、ジョニー・キャッシュの刑務所慰問コンサートに同行して歌っている
歌詞にプリズン(刑務所)と入っているこの曲を、ならず者たちの前で・・・これには囚人達もボロボロと泣かされたんだろうな
♪自由といっても、孤独ならプリズンにいるのと変わらない・・・といった意味なんだろうけどね
この曲の歌詞はなかなか深くて、いつも聴きながら「これはどういう意味なんだろう?」と考えるのがまた楽しいんです
リンダ・ロンシュタットの素足が魅力的な映像もあったんですが(笑)今回はなかなか独自な解釈の和訳が入ったキャリー・アンダーウッドのカバーにしました♪
女性が歌うとまた一味違うんです・・・シングルにはならなかったこの曲が、今ではイーグルスの代表曲となったのも、多くのアーティストにカバーされ続けてきたからに他なりません
ちなみにこの映像はミスタームーンライトさんという日本の方がアップしているみたいですが、関係ないんですよね?きょうたろうさん♪

Carrie Underwood 「Desperado」 (Live Audio & Japanese Translation)

イヤ〜この曲、カントリーのようでいて、ゴスペルの要素もある・・・ホント、アメリカを感じさせる曲です
社会からはぐれてしまったな・・・俗世間からかけ離れてしまったな・・・俺、マトモじゃないよな・・・なんてデスペラードな気質が自分にはあるんですが、そんな自分を諭してくれる曲でもある
この曲が名曲とされているのは、そんなやさぐれた「ならず者」たちが意外に多いって事なのかもしれないね♪ 違うかな?(笑)

イーグルスはグレン・フライとドン・ヘンリーの友情からスタートしたバンドだ
「ならず者」がヘンリー・フライのコンビによる共作の第1作らしい
日本では「作詞者」「作曲者」をはっきり分けているのが一般的だけど、海外では「作者」となっているのが一般的で、詞・曲の分担がわかりづらい
チューリップの財津和夫は、ビートルズの曲はレノン・マッカートニー作となっているから、
ジョンが作詞でポールが作曲だと信じていたらしい(笑)・・・もちろんそうではない事は皆さん御存知でしょう?
このイーグルスのチームも、自分はイマイチ担当がよくわからなかったんですが、解散後のソロ活動で確信しました(笑)
グレン・フライが曲を書いて、ドン・ヘンリーが詞を書いていたんですね
だってグレン・フライのソロは詞が弱いし、ドン・ヘンリーのヒット曲には作詞だけで、曲を自分で書いていないものもあるし(笑)
コンビ始動はお互いを認め合っての事だったんですね・・・また、この曲にはドン・ヘンリーの渋い声の方がいい♪とリード・ヴォーカルを譲ったグレン・フライの決断にも男の友情を感じます

Eagles「Desperado」(Live)

ところで、男の友情って嫉妬なんだってね?
コイツ、いいよな〜♪と羨ましがっているって事か?
確かにそれはある(笑)・・・リスペクトしているのは間違いない
コイツを敵に回したら大変だから、友達になっておこうという(笑)潜在意識なのかもしれないな♪
秘密探偵クルクル〜私的バック・トゥ・ザ・’60s

秘密探偵クルクル〜私的バック・トゥ・ザ・’60s

 
  
   
真夜中の音楽ファン、コンバンワ♪
前回でこの「Listen To The Music」もおかげ様で150回を迎えました〜センキュー!
100回記念では、初めて買ったレコードという事でガロの「学生街の喫茶店」を取り上げましたが、今回はさらに遡ってしまって、もう何が何だかわからない・・・カオスの世界に突入だ(笑)

バック・トゥ・ザ・シックスティーズ・・・なんて言っても、自分は当時小学生です
当然、リアルタイムで60年代の洋楽なんかをマニアックに聴き入っていた訳ではありません(笑)
そこは小学生らしく、テレビの主題歌など・・・テレビで流れていて、いいなあ♪と思っていた音楽の特集です
今回、「私的」と断ったのは、これはあくまでも自分の当時の嗜好の反映であって、人様に共感していただけるような選曲ではないな・・・(笑)と
それから今回取り上げた番組についてですが、実は番組自体にはそれほど思い入れがないものもあります(笑)
あくまでも音楽という観点での思い入れなんですね・・・一応、これは音楽ブログですから♪
しかし今回は音楽ブログを完全に逸脱してしまったかもしれない(笑)
まあ北海道神宮祭も近いからいいんじゃないの?(笑)
YOSAKOIマルタツ祭り…だと思ってくれればいい♪
YOSAKOIソーランは東洋水産(マルチャン)が協賛しているから、マルタツとはマルちゃんつながりだしね(笑)


「秘密探偵クルクル」(画像)・・・果たしてアナタは覚えているだろうか?ウ〜ン、いきなり微妙なチョイスだな(笑)
60年代のアメリカのアニメなんだけど・・・「チキチキマシン猛レース」や「スーパースリー」でおなじみ、ハンナ・バーベラの作品だ
この辺りはNET(現・テレビ朝日)で放送されていたので、当時北海道ではネットされていなかったんじゃないだろうか?
その後NET系列のHTBが開局して、アニメの再放送枠で放送されていたのを観たんです
外国アニメといえば、日本独自の主題歌というのが定番なんだけど、この「秘密探偵クルクル」はオリジナルのテーマ・ソングをそのまま放送していた!
英語なんだよ!しかも最高にカッコイイんだ♪
このテーマ・ソングが聴きたくて、毎回観ていたようなもんです

「秘密探偵クルクル(Secret Squirrel)」オープニング
「秘密探偵クルクル(Secret Squirrel)」歌詞

♪ワレリジュ・・・って何だろうって思っていました(笑) what an agentだったのか〜
さすが、YouTubeだな〜もう一生聴く事もないだろうと思っていたよ(笑)
1分にも満たない曲で、その展開の速さがエキサイティング♪ エンディングも渋いでしょう?
タイトルは探偵となってるけど、秘密諜報部員なんだよね・・・007の世界なんです・・・だから音楽もカッコ良くしたんだろうね
あ、アニメの内容自体はそんなにカッコイイ訳ではないです(笑)
原題は直訳すると「秘密のリス」・・・リスって・・・
主役なんだから、ちゃんと名前くらい付けてやれよ!(笑)
確かにこの映像なんだけど、俺が見たのは白黒だったんだよなぁ〜
その後は1回しか再放送されていないと思う(北海道では)・・・その時はカラーだった
でも主題歌があの曲じゃなかったんだ・・・あれ、日本語だぞ?
えっ?日本制作の主題歌があったの?何だかゆる〜い曲だな〜あのオリジナルが聴きたかったのに・・・
ガッカリして1回しか観なかったんだ(笑)
あれはHTBが、オリジナルの方がカッコイイんだぞ?と、粋な計らいで流してくれたんだろうか?

開局当時のHTBは放送事故が多くて面白かったよ
「チキチキマシン猛レース」の再放送で、日本語の音声がアニメとずれている・・・しかもドンドンずれていく(笑)
しまいには諦めたのか「これより原語で放送します」だってさ・・・これには喜んだね!
英語はわからなかったけど、外国アニメにちょこっと出てくる英語には凄く興味があったんだ
各エピソードのタイトルなんかにHanna-Barbera Productionとか書いてあると、あぁこれもハンナ・バーベラの作品なんだ〜と喜んでました(笑)変な子供です
アニメの原題もしっかりチェックしてました・・・マニアックな探究心の萌芽でしたね

YouTubeでは外国ドラマのオリジナルのオープニングも観る事ができる
「じゃじゃ馬億万長者(The Beverly Hillbillies)」の日本の主題歌は、オリジナルと同じだろうと(オリジナルはインストで、そこに日本語詞を乗せたんだろうと)思っていたら違っていた
どちらもカントリーなのは共通しているんだけどね・・・あれも日本で制作した主題歌なんだ
「奥さまは魔女(Bewitched)」はオリジナルのままだろうと想像していたら・・・ハイ、オリジナルのままでした(笑)
でもやっぱりあの日本語のナレーションがないと物足りないんです
「トムとジェリー」も原語版ではまったくナレーションが入らないのでつまらなく感じてしまいます
それに日本語版ではトムもジェリーもちょっとだけ言葉を話すでしょう?
原語版ではあくまでも動物としての鳴き声だけだし・・・もっと擬人化してほしいな(笑)


ところでキミ、「キャプテン・ウルトラ」は覚えているかい?(笑)
ウルトラ・シリーズ第3作ですが、円谷プロではなく東映で制作されたという・・・子供にはよくわからない、大人の事情の番組でした
この主題歌はソノシートを持っていました
月刊誌「小学?年生」の懸賞か何かに応募して貰ったんだったかな?
この主題歌は最高にワクワクしましたね〜♪ 仕掛けが沢山あって、飽きさせない・・・さすが世界のトミタ、富田勲の作曲です
気に入った音楽は作曲者をチェックする・・・これ、基本ですよ(笑)

「キャプテン・ウルトラ」

富田勲といえば、もう1曲・・・「ジャングル大帝」です
日本初のカラーTVアニメでした
日本のTVアニメはリミテッド・アニメと呼ばれる、1秒間に8〜12コマしかない省力バージョンですが、このオープニングはディズニー映画のように1秒に24コマのフル・アニメーションになっていて、気合が入ってます
国産初のTVアニメ「鉄腕アトム」を再放送で観た時、「こんなにも動いていなかったのか〜!気付かなかった!」とショックでしたね(笑)
よく動くアニメが観たいという方には「ファイトだ!ピュー太」のオープニングをオススメします♪

「ジャングル大帝」オープニング&エンディング(エンディングの歌は弘田三枝子です)

この音楽は子供心にも感動的だったもんな〜
やはりプロの作曲家が作曲するとクォリティが高いんだね
自作自演?そんな作曲を勉強した事もない、作曲に関してはアマチュア同然のミュージシャンとは比較にならないだろう(笑)
自作自演を主流にしてしまったのは、ビートルズの最大の悪影響だと思うよ
イヤ、ビートルズ自身は最初からソングライター志向だったし、優れた作曲家だと思っているけどね♪
でもそれはたまたま優秀だったというだけで、誰もがビートルズのように自在に曲が書ける訳じゃないからね
まあアニソンがタイアップばかりになってしまったのは仕方がないのかもしれない
プロの作家の芳醇な作品を当たり前のように楽しんでいた自分の世代は、音楽的には豊かで幸せであったのかもしれないね


「シャボン玉ホリデー」・・・伝説の音楽バラエティです
ジャンルは違いますが、この「Listen To The Music」が密かに目標にしている番組です(笑)
クレージーキャッツにピーナッツ・・・大人の遊び心を感じていましたね
粋にクールに行こうじゃないか♪ ちょっとエッチでも全然OK(笑)
こんなオシャレな番組が毎週日曜の夜に、全国のお茶の間に放送されていたんだもんな〜♪
我々世代はあの番組でジャズに出会ったという事か?
エンディングの曲は「スターダスト」・・・ホーギー・カーマイケル作曲のジャズ・スタンダードだ
ハナ肇をどつきながら、ピーナッツがハーモニーたっぷりに歌い上げる
彼等が退場した後、一人のギタリストにスポットライトが当てられる
「スターダスト」のギター演奏だ・・・これには痺れたね♪
毎回の事なんですが、やっぱり良いなあ♪と思って観ていました
またつまらない事ですが、ピーナッツの歌と、その後のギター演奏・・・微妙にキーが違うのも、なかなか憎いな〜と思うんです(笑)
でも、てっきりあのギタリストが弾いているんだと思っていたな〜あれはレコード音源なんですよね
ロス・インディオス・タバハラスというブラジルの兄弟ギター・デュオの演奏なんだ・・・イヤ〜騙された(笑)
よく聴いてみたら、確かにギター1本では無理っぽい演奏でした♪

「スターダスト」ザ・ピーナッツ〜ロス・インディオス・タバハラス
ミッドナイト・トレイン

ミッドナイト・トレイン

The Three Degrees
Midnight Train
作詞 松本隆
作曲 細野晴臣
昭和49年(1974年)



真夜中の不定期更新、音楽エンターテイメント番組「Listen To The Music」です♪
今回も前回に引き続きスリー・ディグリーズ特集です
まあ前回は長くなりそうだったのでね・・・柄にもなく、ちょっと遠慮したんですよ(笑)
そんな訳で記事を小分けしてみたんです・・・あ、別に最近、更新のペースが落ちているから、こうやって記事の数を増やしている訳ではありませんよ(笑)
決してそのような姑息な考えではありません・・・これがエンターテイメントな優しさというものです♪
・・・さすがにそれは嘘くさいですけどね(笑)

「世界の恋人」と称されていたスリー・ディグリーズですが、これは決して持ち上げている訳ではないんです
世界の最も多くの国でレコードを発売した歌手・・・としてギネスにも認定されているんですから、そりゃあ大したもんですよ
まあそれはレコード会社の力もあるんでしょうけどね(笑)
日本でもシングル・ヒットが続いて人気グループになったスリー・ディグリーズでしたが、日本のレコード会社はなかなかニュー・アルバムが発表されないのにイライラしていたんです
それなら日本でレコードを制作してしまおう!となったんですね
イヤ〜昔のレコード会社の洋楽部ってホントに熱いんですね〜!
多分クラブでホステスに「あの邦題は俺が考えたんだぜ?」なんて自慢していたんだろうな(笑)
まあそれはともかく、今回はその日本で制作されたスリー・ディグリーズの3枚のシングルについて語ってみたいと思います

最初にリリースされたのが「天使のささやき」の日本語バージョン
原曲ではせつない歌詞でしたが、日本語バージョンは幸せの絶頂といった歌詞に様変わりしています
これは「天使のささやき」という邦題の辻褄合わせをしているとしか思えません(笑)
幸せすぎて天上の音楽(天使のささやき)が聴こえる・・・というオチになっているんですね
オチって言っちゃダメかな?
でもやっぱり日本語というのはいいね〜♪この曲は日本語バージョンも聴きたくなるもんなぁ
(リンクは前回しているので今回はナシです)

続いて発表されたのが「ミッドナイト・トレイン」ですが、そこは構成上 後回しにして(笑)、その次の「にがい涙」に行ってみよう♪
ナニ?時系列がメチャクチャになるだろうって?
いいんだよ・・・この3枚は同時期にレコーディングされているんだから!
ただ適当なインターバルでリリースしただけって話なんだよ・・・という訳で「にがい涙」です(笑)
この曲は日本のオリジナル曲でしたね〜歌詞も日本語で、テレビでもよく歌ってくれていました
作曲は筒美京平・・・スリー・ディグリーズ、日本最大のヒット曲です
フィリー・ソウルを取り入れながらも、歌謡曲として着地させる・・・これがプロの仕事ですね
この曲は日本のランキング番組では、洋楽チャートに入れるべきなのか?邦楽チャートに入れた方がいいのか?かなり悩んでいた形跡が見られましたね〜番組によって扱いがバラバラなんです(笑)
テレビに出て日本語で歌ってくれるんだから、そりゃあ親しみがわく・・・っていうもんでしょう
スリー・ディグリーズは日本に拠点を置いて活動している・・・そんな勘違いをしていた人も沢山いましたからね(笑)

「Nigai Namida」

ヒットメーカー、筒美京平はいつも最新の洋楽を取り入れていたけど、フィリー・ソウル歌謡はこれが初めてだったんじゃないかな?
この後の岩崎宏美のデビュー当時の作品群なんかは完全にフィリー・ソウルだもんなぁ・・・イチオシは「センチメンタル」です♪
当時よくあったインストのディスコ・ナンバーとしてヒットした「セクシー・バスストップ」・・・
Dr.ドラゴン&オリエンタル・エクスプレスの演奏という触れ込みでしたが、実は覆面バンドで日本制作の洋楽だった・・・これにはビックリしたもんです
筒美京平が変名で作曲しているんだよね・・・でも後に浅野ゆう子がカバーしたのでバレてしまったんだ(笑)
セクシーなバス停?じゃないんです・・・バス・ストップというステップがあったんですよ
列に並んで踊るのでバス・ストップと呼ばれていたんです・・・平浩二も関係ないですよ(笑)
筒美京平をここまでディスコ・ミュージックにハマらせたのは、ソウル歌謡「にがい涙」の大ヒットなのかもしれないね

そして最後の1曲「ミッドナイト・トレイン」です
これも日本オリジナルの曲ですが、歌詞は英語で、サウンドも歌謡曲ではなく「洋楽」になっているのには驚きましたね〜
これは和製フィリー・ソウルの傑作ですよ・・・自分がスリー・ディグリーズを聴く時は、必ずこの曲も欠かさず聴きますからね(笑)
元になった日本語詞を見た事があるんですが、これもいいんです
でもどうせなら英語にして、洋楽にしてしまおう!という魂胆がいいですね(笑)
さすが松本隆、細野晴臣・・・フロンティア・スピリットに溢れた伝説のバンド「はっぴいえんど」の盟友だ
英語詞は二人で悩んで書いたらしい・・・でもプロデューサーには随分手直しされたみたいですが(笑)
それでもレコードには、作詞 T.Matsumotoってクレジットされているんだ・・・なかなか大人の対応だね♪

「Midnight Train」

細野晴臣はソロ・アルバムからYMOまで、欧米の視点から見たエキゾチックな日本・・・というアプローチをしていたけど、この曲にもそれを感じるね
演奏も細野晴臣のベース、鈴木茂のギターがツボを押えたグッジョブだ♪
これはぜひ海外発売してほしかったな〜!


日本のレコード会社の暴走にヒントを得たのか?
スリー・ディグリーズ待望のニュー・アルバムは、フランス語やスペイン語で歌われた曲が収録されていた
タイトルはズバリ「International」!
邦題もズバリ「世界の恋人」だ(画像)
スリー・ディグリーズもいつになく美人さんな風情でお澄まししているよ・・・スーパースターになった貫禄が感じられるね
このアルバムは各国仕様になっていて、微妙に収録曲が違う・・・全世界で発売されたバージョンが、全部でなんと15バージョンもあるというんだから前代未聞だ
日本盤にはもちろん「天使のささやき(日本語バージョン)」「にがい涙」「ミッドナイト・トレイン」が収録されていますが、この3曲は日本盤にしか収録されていない・・・ウ〜ン、残念!
せめて英語詞の「ミッドナイト・トレイン」は他国盤にも収録してほしかったところだ
この曲の海外での評価を知りたくなりませんか?
そりゃまあ一部のスリー・ディグリーズ・マニアはレアな日本盤に執着するんだろうけどね(笑)
天使のささやき

天使のささやき

The Three Degrees
When Will I See You Again
1973



世界の恋人、スリー・ディグリーズです
当時は「フィラデルフィアのセクシー・エンジェル」なんて紹介されていました♪
黒人女性コーラス・グループといえば、60年代にダイアナ・ロスが在籍していたシュープリームスが筆頭に挙げられますが、
やはり自分の世代にとっては70年代に活躍したスリー・ディグリーズが忘れられないんです
東京音楽祭を始め、日本のテレビの音楽番組に度々出演していたのも大きいですね
ソウル・ミュージックを日本に普及、定着させたのは間違いなく彼女達だと思っています
という訳で今夜はスリー・ディグリーズ特集です♪
これは長くなりそうだな〜(笑) 2回に分けますね

当時、世界を席巻していたフィラデルフィア発のソウル・ミュージック・・・フィリー・ソウル・・・
都会的でスタイリッシュな音楽に痺れたもんです・・・ストリングスが入っていてゴージャスなんだよね
まあソフィストケイトされたソウルという事で、コアなソウル・ファンからは目の仇にされていましたが(笑)
フィラデルフィア・インターナショナル・レコードが世に送り出したサウンドで、殆どの作品を手掛けたソングライター・チーム、ギャンブル&ハフの曲が光っています
このコンビは最強!当時はわからなかったけど、歌詞も面白いんだ
代表的なグループとしては何と言っても「裏切者のテーマ」でお馴染み、オージェイズですが、その女性版がスリー・ディグリーズだといえますね・・・同じトリオだし♪

スリー・ディグリーズは地元フィラデルフィアで60年代から活動していたグループ・・・オージェイズもそうなんだよね
なかなか地元愛の強いレコード会社なんだな(笑)
スリー・ディグリーズはその名前の通り、3人グループなんだけど、実はメンバー交替が激しいんだ・・・
御存知、全盛期のメンバーはシーラ(画像右)、ヴァレリー(画像中央)、フェイエット(画像左)ですが、
結成時からのオリジナル・メンバーはフェイエットのみ・・・フェイエット、この3人の中ではソロを取らない、一番地味なメンバーなんだ(笑)
最近も来日公演とかしてくれていますよね?息の長いグループなんだ
もうすっかりオバチャン(オバアチャン?)になって別人になったな〜という印象ですが(失礼)、ホントに別人なんです
全盛期のメンバーで残っているのはヴァレリーだけですから(笑)
リード・ヴォーカルのシーラの不在は痛いですね・・・今は歌手、女優としてソロで活動しているんだ
往年のファンにとっては、看板に偽りあり・・・って所かな?
メンバーが交替してもグループは存続させる・・・これはモーニング娘のパターンだ
つんくはミュージシャンだから、スリー・ディグリーズのシステムを知っていたんだろうね
秋元康は「こんなやり方があったとは!」とマジで悔しがっていたらしいよ(笑)

<注>当時はシーラではなくシェイラと表記されていましたが、Sheilaなのでシーラでいいんじゃないかシーラ?(笑)

「Dirty Ol' Man(荒野のならず者)」

♪ ヨラ〜 ダーリ オッメ〜ン・・・(You're a dirty old man)
これはヒットしました・・・でも「このスケベオヤジ!」って意味ですよね(笑)
だから「荒野のならず者」なんて、訳のわからない、西部劇みたいな邦題にしたんだろうな
アメリカではこの歌詞が強烈すぎて日本ほどヒットしなかったらしいよ(笑)

「T.S.O.P.(ソウル・トレインのテーマ)」

TSOP・・・VSOPみたいですが、The Sound Of Philadelphiaの略です
元々はスタイリスティックスやオージェイズ、スリー・ディグリーズのレコードで演奏していたスタジオ・ミュージシャン、MFSB(こちらはMother Father Sister Brotherの略)によるインスト・ナンバーとして世に出ていた曲
そこにスリー・ディグリーズの歌が追加録音されて、伝説の音楽番組「ソウル・トレイン」のテーマとして使われました・・・まあ元がインストなので、歌は添え物といった感じですね〜これは踊らないと間が持たないな(笑)
70年代のディスコ・ブームを牽引したサウンドです
アメリカではこの曲でブレイクしたんですね
そういえば「ソウルとんねるず」って「ソウル・トレイン」みたいな企画がありましたね〜
とんねるずとDJ OZMAのユニット、矢島美容室も「おっ!スリー・ディグリーズだ!」って思いました・・・またOZMAがヴァレリーにソックリなんだよ(笑)
やっぱり世代なんですね〜自分はとんねるずと同世代なんですよ


さて、いよいよ「天使のささやき」です
これも原題が「When Will I See You Again」(いつまたあなたに会えるのかしら?)ですから、随分と飛躍した邦題になっています
フィラデルフィアのセクシー・エンジェル・・・から発想したんだろうか?
やっぱりイントロの♪ フ〜ウ、ハ〜ア・・・が天使のささやきだって事なんだろうね♪
よくフ〜ウ、ハ〜ア、フ〜ウ、ハ〜アと思われがちですが、
正しくはフ〜ウ、ハ〜ア、ハ〜ア、フ〜ウですからね・・・まあどうでもいい事ですが(笑)

「When Will I See You Again(天使のささやき)」

この曲も日本でシングルとして先行ヒットしました・・・アメリカのチャートを賑わせたのはかなり後でしたね
アルバムは73年でしたが、74年のヒット曲になります

♪Precious moments・・・
 いつまたあなたに会えるの?
 私達は恋人?それともただの友達?
 これは恋の始まり?それとも、もう終わりなの?
 いつまたあなたに会えるのかしら・・・

これは反則ですね〜男心をメロメロにする・・・まさしく天使のような歌詞です
とても「このスケベオヤジ!」と歌っていた、同じグループとは思えません(笑)
イメージ・チェンジ?それは違います・・・だって「荒野のならず者」と同じアルバムの収録曲ですからね♪

スリー・ディグリーズ・・・韻を踏んだ格好いいグループ名ですが、直訳すると「3度」なんです
アメリカは摂氏じゃないから華氏3度?氷点下じゃん?クールなイメージって事なのだろうか?・・・謎でしたね
degreesって言葉は温度だけではなく角度にも使うらしいんだけど、それにしても3度はないだろう(笑)
どうやらこれは諺から来ているらしい
Man,woman,and devil are the three degrees of comparison
(男、女、悪魔・・・とは比較の3段階である)
つまり女性は男性より悪魔に近いという事らしいよ(笑)
これをグループ名にするんだから、「私達は小悪魔よ♪」というイメージ戦略なんだね
「このスケベオヤジ!」と罵っておきながら、「いつまたあなたに会えるのかしら?フ〜ウ・・・」なんて思っている・・・という事なんだろうか(笑)
天使のささやきは、小悪魔のささやきだったんだな
さすが世界の恋人、スリー・ディグリーズですね♪
 
「天使のささやき(日本語バージョン)」
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